予算委員会の“総理!総理!”コールは日本だけ? ー 世界の議会と比べて見える“政治文化のクセ”
■ 1. 今日の気づき
国会中継を見ていると、
「総理!総理!(答弁しろ!)」
と議長が強めに呼びかける場面、めちゃ多い。
野次も混じるし、テンションがやけに高いし、テレビ越しでも空気が刺々しい。
「え、これ世界共通?」
と素朴に思ったので、今日は世界の議会と比較してみた。
■ 2. 結論:あれは“ほぼ日本だけ”の議会文化
ざっくり言ってしまうと、
議長が煽るような雰囲気で総理を呼びつけるのは、日本独自。
世界の議会はたとえ荒れても、
議長は中立・静か・冷静であることが鉄のルール。
つまり、日本の国会は“儀式+演出+慣習”がミックスされた、かなり特殊なスタイルなのだ。
■ 3. 世界の議会をざっくり比較してみた
◆🇬🇧 イギリス:やじは激しいけど、議長は鉄壁の冷静
- PMQ(首相質疑)は世界で最も口が悪い
- でも議長(Speaker)は絶対に煽らない
- 「Order! Order!」で全員を黙らせるのが仕事
→ ルール破りには即退場
◆🇺🇸 アメリカ:議長は淡々、ショー化しにくい
- 大統領は議会に常駐しない
- “総理!答弁しろ!”みたいなコールは原理的に起こらない
- 質疑時間も厳密管理
◆🇫🇷フランス
- 議員は熱いが、議長は冷静に制御
- 日本のような“議長が段取りで煽る”文化は皆無
◆🇰🇷韓国
- 昔は乱闘もあったが、議長は中立性を徹底
- 今は制度改革でかなり安定
→ どの国も「議長=冷静」が常識。
■ 4. では、なぜ日本の議長だけあのトーンなのか?
理由は3つある。
① 予算委員会が“政治のテレビショー”化している
視聴率が高く、国民の注目が集まる
→ 与野党がパフォーマンス強め
→ 議長も段取りを急ぐため声が強くなる
② 日本特有の「誰に答弁させるか」形式
議長が指名しないと誰も立てない仕組み
→ 結果、「総理、お願いします!」のコールが儀式化
③ 慣習がそのまま伏流水のように残っている
戦後国会の空気がそのまま “形式美” として固定
→ 海外は制度改革で進化、日本は儀式化が進行
■ 5. 私たちは何を見ているのか?
テレビで見る“激しさ”は、
政治対立というより、
「日本の議会文化」そのものがつくるムード だ。
本質的議論より、
“言わせた・言わせない”の攻防ばかりが切り抜かれる。
その裏で、政策の本論が国民の前に出てこないのは、かなりの損失だと思う。
■ 6. まとめ
- 世界の議会は荒れても議長は荒れない
- 日本の“総理!総理!”は独特の儀式文化
- テレビ映えの文化が政治をショー化している
- 私たちは「政治の議論」ではなく「政治の演出」を見せられている
政治を変えるのは制度であり文化であり、
そしてそれを観察する国民の目線だと思う。
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