
坂の街を駆け抜ける電動自転車たち──歩行者の安全と都市の未来を考える
序章:坂の多い街と電動自転車の急増
私の住んでいる地域は坂が多く、日常的に電動自転車の姿をよく目にします。特に最近は、子どもを乗せたママチャリ型の電動自転車や、学生、さらには若いビジネスパーソンまで、多様な人が利用しています。確かに坂道をスイスイ登れる便利さは大きな魅力です。しかし一方で、そのスピード感と歩行者との距離感には不安を覚えることもしばしばあります。
歩道と自転車──共存の難しさ
狭い歩道を犬を連れて歩いていると、電動自転車が「ものすごい勢い」で追い抜いていくことがあります。点字ブロックの上を走る自転車を見かけると、視覚障害者にとってどれだけ危険な状況かを考えずにはいられません。本来、自転車は車道を通行するように設計されていますが、現実はなかなか理想どおりにはいかないのです。
特に小さな子どもを乗せた電動自転車は、車道の交通量の多さを考えると「歩道に入り込みたくなる気持ち」も理解できます。しかしそれが結果として歩行者にリスクを押しつけてしまう構図になっているのです。
最近の特徴:イヤホンとスマホ
近年目立つのは、Bluetoothイヤホンを装着しながら自転車に乗る若者たちです。耳をふさいでいるため、クラクションや歩行者の声が届かず、周囲に注意を払う気配が感じられません。さらに「スマホをガン見」しながら運転している人も少なくなく、その姿は非常に危険です。数秒の注意散漫が大事故につながるのは、誰もが理解しているはずなのに……。
世界一厳しい自転車ルールの国?
日本は「世界で最も自転車通行に厳しい国の一つ」と言われます。確かに法規制や取り締まりは年々強化されつつありますが、現場を歩く私の肌感覚としては「まだまだ甘い」と思わざるを得ません。特に電動自転車の普及はここ数年で急激に進み、従来のルールが追いついていない状況があるのです。
解決への視点
- インフラ整備:狭い歩道と車道の間に「自転車専用レーン」をもっと整備する必要があります。
- マナー教育:学校や地域での交通安全教育を強化し、歩行者への配慮を徹底させる取り組みが求められます。
- テクノロジーの活用:車と同じように「ながらスマホ防止機能」や「速度制限機能」を自転車に搭載する日も来るかもしれません。
結び:共存社会への道
電動自転車は便利でエコな乗り物です。しかしその便利さの裏には、歩行者や弱者にとってのリスクが潜んでいます。坂の街で犬を連れて歩く私のような人々や、視覚障害者、高齢者、子どもたち──すべての人が安心して歩ける街であってほしい。そのためには「便利さ」と「安全性」のバランスをどう取るか、社会全体で考えていく時期に来ているのです。













