掃除しようと思ったのに…寒さに負けて棚上げした私の話
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はじめに:掃除をしようと思った“その瞬間”は確かにあったのに
「今日は掃除をするぞ」と決めたはずの朝。
しかし、冬の空気が刺すように冷たく、部屋の隅に広がる静けさが妙に重たい。
そういう日に限って、人はどうしてこうも行動が鈍るのだろうか。
私はその日、掃除をしようと立ち上がりかけたところで、ふと寒気に負け、再び毛布の沼へ沈んでしまった。
決意はあった。意志もあった。だが、身体が伴わない――そんな日だった。
そして気づけば、掃除というタスクは「今日の私ではなく、未来の私」に託される形で棚上げされてしまった。
■ 1. 冬の“やる気停滞期”と人間の正直さ
冬になるとやる気が奪われるのは決して怠けではない。
気温が下がると身体はエネルギーを温存しようとし、行動意欲が自然と低下する。
つまり、今日の私は悪くない。自然の摂理だ。
身体が正直なだけなのだ。
それに、寒い部屋で掃除を始めるのは思いのほかハードルが高い。
床に落ちたホコリを見つめても、なぜか「今日は見逃してあげよう」という謎の慈悲が生まれる。
片付けなきゃ、と頭では分かっていながら、布団の温もりのほうが圧倒的に魅力的に感じてしまう。
冬の引力は、重力より強い。
■ 2. 棚上げという高度なテクニック
棚上げ——それは、未来の自分への借金であり、希望でもある。
一見ネガティブに聞こえるが、棚上げは必ずしも悪ではない。
むしろ「今の自分を理解してあげる」という肯定的な行為でもある。
やる気がない時の掃除ほど効率が悪いものはない。
中途半端に物を動かして、余計に散らかってしまうという“掃除あるある事件”が起こることもある。
だからこそ、寒い今日は無理しない。
未来の自分が暖房の効いた午後に片付けてくれればいい。
そう、棚上げとは「コンディションの良い未来の自分にチャンスを託す」という前向きな戦略なのである。
■ 3. 冬の掃除が進まない私たちへの救いのヒント
棚上げした自分を責める必要は全くない。
ただし、明日も明後日も棚上げしてしまうのは、少しだけもったいない。
では、寒さに負けないためにどんな習慣が使えるのか。
ここでは「未来の自分も助かる、今日の小さな一歩」を紹介する。
● ① まずは“1分掃除”
人間は「始める」より「続ける」ほうが簡単。
ならば、最初の1分だけでいい。
ティッシュを捨てる、机の上を拭く、洗濯物を一枚畳む。
一つ動くと、もう一つ動けることもある。
● ② 部屋を暖める→掃除を始める
これ、実は最強の技。
寒い部屋でやる気など出るわけがない。
● ③ “掃除前に音楽をかける”儀式を作る
脳に「これから動くよ」と知らせる合図をつくると、行動がスムーズになる。
● ④ 棚上げを可視化する
「今日はここだけやる」「これは明日の私がやる」と決めておくと、罪悪感が消える。
■ 4. 棚上げした自分を愛おしく思う瞬間
寒いから、今日はやらない。
その選択は、怠けではなく“自分をいたわる智慧”かもしれない。
人生は、常に全力で走り続ける必要なんてない。
時々立ち止まり、ぬくもりを感じ、休息しながら進んでいけばいい。
掃除を棚上げした日もまた、生活の一部であり、私という人間の優しさの表れなのだ。
■ 5. それでも、未来の私はきっと片付ける
掃除を棚上げした今日の私は、明日の私にエールを送る。
「今日できなかったぶん、明日やればいいよ」と。
そんなふうに未来を信じられるのも、悪くない。
たとえ今日の私は寒さに負けて動けなかったとしても、
未来の私はきっと私を助けてくれる。
そしてきっと、部屋が整った瞬間に思うだろう。
――棚上げしてよかったかもしれない、と。
■ おわりに
掃除をするはずだった寒い一日。
その小さな出来事の裏には、人の心の動きや習慣、意思と環境の関係といった多くのテーマが潜んでいる。
今日できなかったのは、今日できるコンディションじゃなかっただけ。
それだけのこと。
そして私たちはまた明日、少しずつ前へ進んでいけばいい。
