時短勤務で転職?1人社長に訪れた“キャリアの選択肢”という現実
はじめに
「社長になると、もう転職なんて関係ない」──と思っていた。
ところが、会社を立ち上げてしばらくしてから、転職エージェントからの連絡が急に増えた。求人企業からの直接的な声掛けではなく、あくまで“人材紹介会社”からのオファー。しかもその多くが、施工管理職に関する案件だった。
私が長年携わってきた現場系キャリア。それを求める業界の声が、今になって熱を帯びている。
だが、私は今、社長だ。会社もある。すべてを捨てて転職する気はない。仮に働くとしても、時短勤務での副業的関わりしか考えられない。
この「中途半端な社長のキャリア選択」は、きっと私だけではないはずだ。今回は、そんなリアルな状況と心の動きを、ありのまま綴っていきたい。
転職エージェントからのアプローチが増えた背景
ここ半年で感じたこと──それは、「エージェントからの連絡が急増している」こと。
特に次のような特徴がある:
- 職種は「施工管理」一択(電気・建築・土木問わず)
- 年収は400〜700万レンジが多い
- 勤務地は首都圏+地方主要都市
- 条件よりも「早期稼働できるか」が重視される
つまり、「即戦力で、一定の現場経験がある人材」を、エージェントが“数撃ちゃ当たる”方式で探しているのだ。
実際に来たメッセージ(一部)
- 「〇〇建設で電気施工管理の募集があり、御社のご経験にマッチする可能性があります」
- 「時短や副業形式の相談も可能な求人です」
- 「貴社のビジネスと両立する働き方も調整可能です」
これまでの経験上、こうしたオファーは「紹介人数を増やす」ための広範囲アプローチが多いと感じている。
社長という“肩書き”が招く矛盾
社長になると、こんな矛盾が生まれる:
- 経営責任があるから、簡単に組織に属せない
- とはいえ、収入の柱を増やしたい時もある
- 働く意思はあるが、完全フルタイムは現実的でない
「フルタイムは無理。でも働きたい。けど会社も放っておけない。」
まさに“中途半端”な状況だ。
一方で、企業側も少しずつ柔軟性を持ち始めている。
- 週2〜3日のプロジェクト契約
- 現場のピンチヒッター契約
- 副業社員としてのフレキシブルな勤務形態
これは、コロナ以降に拡がった「ギグワーク」や「パラレルキャリア」の副産物とも言えるだろう。
時短勤務で働くという選択肢
私が考えているのは、以下のような勤務形態だ:
- 週2〜3日(または週15〜20時間)
- 午前中だけ勤務、午後は会社経営に充てる
- リモート+現場対応のハイブリッド
- 長期ではなく、プロジェクト単位での関与
これは「雇われる」のではなく、「関わる」という働き方だ。
企業側にも“雇用リスクを抑えたい”という心理があるため、条件次第では成立する余地は十分にあると見ている。
キャリアが進むほど、選択肢は増えるのか?減るのか?
一見、社長になれば“自由”に働けるように思える。だが、実際には責任がついて回り、「何でもできる」は「何もできない」と表裏一体である。
- 若い頃:転職は“自由”だったが、スキルも実績も乏しかった
- 今:スキルと実績はあるが、“自由な時間”がなくなった
これが現実だ。
とはいえ、これまでの経験と信頼が「新しい働き方の形」を作れると信じている。
社長の転職は“逃げ”ではない
社長の転職は、ネガティブに捉えられがちだ。
- 「経営がうまくいっていないのでは?」
- 「結局は雇われるのか」
だが、自らの意思で“働き方”をデザインすることこそ、社長的キャリアの醍醐味だと思っている。
「働く=会社にフルコミット」という前提を捨てれば、可能性は広がる。
おわりに:悩みは尽きない。でもそれでいい
結局、私はまだ答えを出せていない。
エージェントからの連絡に丁寧に返信しつつも、いま一度「自分は何のために働くのか?」を見つめ直している。
- 時短で働くことが悪いわけではない
- 社長が転職を考えることも悪くない
- キャリアに“正解”はない
そう、自分に言い聞かせている。
悩みがあることは、前に進んでいる証拠だ。
もしあなたが同じように、キャリアに迷っていたり、社長であることのプレッシャーを感じているなら、ぜひこのブログを読んで共感してほしい。














