「本を書きたい」衝動を形にする——ヒューマン・アセスメントと会社の手仕舞いに挑む50代起業家の視点
はじめに:なぜ今「本」を書くのか?
50代で起業してから数年、自分の経験を「言葉」に残したいと思うようになった。それは単なる記録ではない。これからの世代にバトンを渡すように、人生の節目をどう切り抜けてきたか、そしてどう終えるべきかを、自分の言葉で綴っておきたいと思ったからだ。
書きたい本は2冊。(あとで小説も書き残したい)
- 「ヒューマン・アセスメント」:人材育成に長く携わってきた経験を土台に、人の可能性を見抜き、引き出す方法を書き残したい。
- 「会社の手仕舞い方」:50代で起業し、自分の会社の未来を見据える今だからこそ、経営の始まりと終わりを自分ごととして記しておきたい。
第1章:「ヒューマン・アセスメント」は、なぜ今必要なのか
かつての人材評価は、学歴や職歴、成果主義に偏りすぎていた。しかし、VUCA(不安定・不確実・複雑・曖昧)な時代において、それだけでは人の価値を測れない。
「ヒューマン・アセスメント」は、以下の3点を重視する考え方だ。
- ポテンシャル:今できることより、将来できそうなこと
- 行動特性:どういう場面でどんな反応をするか
- コンピテンシー:成果を出すための思考と行動のパターン
部下や若手が成長する瞬間を何度も目にしてきた私にとって、この考え方は机上の空論ではない。「人を見る目」は経験によって養われるが、再現性を持って伝えることができると信じている。
第2章:会社は「終わらせ方」が9割
日本では、「起業」のノウハウは溢れているが、「会社の終わらせ方」に関する情報は少ない。特に個人事業や小規模法人を立ち上げた50代以上の経営者にとって、事業継続と同じくらい重要なのが「事業の畳み方」だ。
- 廃業届の出し方
- 法人解散の手続き
- 従業員・取引先との円満な関係整理
- 残った在庫や資産の処理
- 税務上の注意点
…どれも避けて通れない。しかし、実務と感情が複雑に絡むため、心理的な負担も大きい。
「終わり方」を知っている経営者は、逆に強い。未来に向かって、いつでも「次の一歩」を選べるからだ。
第3章:50代で起業するということ
「もう年だから」と言う人がいるが、50代での起業はむしろ「円熟のスタート」だ。社会経験、人脈、信頼、そして失敗を恐れない胆力。すべてが武器になる。
しかし、同時に現実的な選択も求められる。
- 家族への説明
- 資金繰りの見通し
- 自分の健康
- 事業継続の出口戦略
私自身、起業してから「孤独」と「自由」が常に同居していた。それでも、「自分で決められる生き方」に手応えを感じている。
第4章:「本を書く」ことは、人生を棚卸しする行為
ブログやSNSではなく、**「本」**として残す意味は何か?
- 情報を体系化することで、自分の思考が深まる
- 誰かに読まれる前提で書くことで、文章に責任が生まれる
- 過去と未来を見つめ直し、自分の「原点」に気づける
「ヒューマン・アセスメント」も「会社の手仕舞い」も、自分だけのテーマではない。多くの人にとって、これからの人生に関わる普遍的な問いなのだ。
第5章:書くために、始めた5つの習慣
- 毎朝15分だけ、自分に手紙を書く
- 読み返しても恥ずかしくない言葉で書く
- 誰か1人を思い浮かべて書く
- フィードバックを受け取る勇気を持つ
- 出版のハードルを下げる(最初は電子書籍でもOK)
本を書くのに「正解」はないが、継続する仕組みを自分で作ることはできる。
おわりに:「書きたい」は「生きたい」の裏返し
本を書くという行為は、「誰かに伝えたい」という想いの現れだ。そしてそれは、**「もっと生きたい」「まだ伝えきれていないことがある」**という、生の衝動でもある。
あなたも「書きたい」と思ったことがあるなら、もうその時点で一歩踏み出している。私と同じように、50代でも、60代でも、遅すぎることはない。














