
【インフレ対策のはずがマイナス?】日本物価連動国債ファンドの落とし穴と今後の戦略
はじめに:今日の出来事から
「インフレに備えて、日本物価連動国債ファンドを購入していたのに、評価額を見たらまさかのマイナス…。これはデフレに逆戻りってこと?」
今日の私は、投資信託の運用状況を確認しながら、思わず目を疑いました。選んだ商品はDAM(大手資産運用会社)の日本物価連動国債ファンド。インフレが続く中で、「これなら安心だろう」と考えていたのに、現実は予想外の展開。果たして、この現象の裏には何があるのでしょうか?
本記事では、
- なぜ物価連動国債ファンドがマイナスになったのか?
- デフレに戻っている兆候なのか?
- 今後、私たち投資家がどう向き合えばよいのか?
を徹底的に深掘りしていきます。
物価連動国債とは何か?
まずは基本から整理しましょう。物価連動国債とは、その名の通り消費者物価指数(CPI)に連動して元本や利払いが増減する国債です。インフレが進めば利息や償還額が増え、デフレなら減る仕組みになっています。
「インフレ対策の切り札」として注目されるのは、次の理由です。
- 預金や通常の国債はインフレで実質的な価値が目減りする
- 物価連動国債ならインフレで価値が守られる
つまり、インフレ時代の“守りの資産”として買ったはずなのに、評価額が下がるという逆説が起きているのです。
なぜマイナス?原因を徹底分析
1. 名目金利の上昇による債券価格下落
物価連動国債であっても、債券価格は金利動向に左右されるのが大前提。2024年以降、日本銀行が利上げ姿勢を見せ始め、長期金利も上昇傾向にあります。その結果、債券価格が下落し、評価額がマイナスになるケースがあります。
2. インフレ率の伸び鈍化
CPI連動のため、物価上昇が緩やかになるとファンドの恩恵は小さくなります。「思ったほど物価が上がらなかった」あるいは「インフレが落ち着き始めた」と市場が判断すると、評価額にマイナスの影響を与えます。
3. ファンドのコスト
投資信託には信託報酬やその他のコストが発生します。DAMの物価連動国債ファンドも例外ではなく、長期で見ればプラス要因を食い潰すこともあります。
4. デフレリスクの台頭?
「もしかしてデフレ?」と感じる背景には、日本経済の先行き不安があります。原油価格の落ち着き、円高進行による輸入物価の低下、消費者需要の停滞…。こうした要因が重なれば、デフレ的な圧力が市場に織り込まれることもあるのです。
日本経済とインフレ/デフレの行方
ここで少しマクロ的な視点から見てみましょう。
日本のインフレは一時的か?
2022年から2024年にかけて、エネルギー価格高騰や円安が主因でインフレが進みました。しかし、構造的な賃金上昇には至っていません。そのため「一過性インフレ」なのか「定着するインフレ」なのか、専門家の間でも意見が割れています。
デフレ圧力の存在
日本は長年デフレに苦しんできた国です。人口減少、消費の低迷、企業の投資姿勢の慎重さ…。これらは依然として解消されていません。したがって、いつ再びデフレ傾向に戻ってもおかしくないのです。
個人投資家が考えるべきこと
今回の出来事から得られる教訓は大きいです。
- インフレ連動商品も万能ではない
「インフレ対策」と思い込んで投資しても、短期的にはマイナスになる可能性がある。 - 分散投資の重要性
物価連動国債ファンド一本に集中するのではなく、株式、外債、REITなど複数の資産に分散すべき。 - 時間軸での判断
短期の評価額に一喜一憂せず、数年単位で運用成果を見ることが大切。 - マクロ経済の理解
インフレ・デフレのニュースを日々追い、経済動向を自分なりに解釈できる力を養うことが必要。
今後の戦略
では、これからどう動くべきでしょうか?
- 物価連動国債はホールド:短期のマイナスは一時的な可能性が高く、インフレが続けば再びプラスになる。
- 追加投資は慎重に:金利上昇局面では債券価格が下がるため、タイミングを見極める。
- 株式や実物資産へのシフト:インフレ局面では株式や不動産投資信託(REIT)が恩恵を受けやすい。
- 現金ポジションも確保:不確実性が高まる時期こそ、キャッシュを一定割合持っておくことが安心材料になる。
まとめ:投資は「思惑通りにいかない」からこそ面白い
インフレに備えて買ったはずの物価連動国債ファンドがマイナスになるという逆説的な体験。これは「投資は必ずしも教科書通りにはいかない」という現実を象徴しています。
今回の気づき:
- 投資はシンプルに見えて奥が深い
- マクロ経済の理解は不可欠
- 短期的な損益よりも長期的な資産形成を意識すべき
「これはデフレなのか?」と不安になるかもしれません。しかし、むしろ今は市場を冷静に観察し、柔軟な戦略を立てる好機です。投資は未来を予測することではなく、変化に対応すること。そう自分に言い聞かせながら、次の一手を考えていきたいと思います。













