
1ドル152円の衝撃——円安が私の生活を侵食する。インフレ税という見えない刃
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📖 目次
- 円安1ドル=152円、静かに進む日本の通貨崩壊
- 株高という幻影——誰が得をして、誰が疲弊しているのか
- インフレ税の正体:政府が黙ってあなたの財布から奪う仕組み
- 「株をやめた後悔」から見える、個人投資家のジレンマ
- 私の小さな貯金が溶けていく日々
- それでも、私たちはどう生きるべきか——個人のサバイバル戦略
- 終章:通貨と心の価値を取り戻すために
✍️ 本文
1. 円安1ドル=152円、静かに進む日本の通貨崩壊
昨日、為替市場はまたひとつの節目を迎えた。
1ドル=152円——。
ニュース速報のテロップが流れた瞬間、私の胸に小さな不安が走った。
「また円安か。」
しかし、その“また”という言葉の裏には、
もはや驚きではなく、慣れと諦めが混じっている。
数年前、1ドル=110円台だったころを思い出す。
あの頃は、輸入品も手頃だった。
カフェのコーヒー豆も、ガジェットも、海外旅行も。
だが今、スーパーに行けば、
バターも、肉も、日用品も、静かに値上がりを続けている。
給料は上がらない。
それどころか、実質的には下がっている。
「物価上昇率−賃金上昇率」——これが、
今の日本人の“体感インフレ”だ。
2. 株高という幻影——誰が得をして、誰が疲弊しているのか
一方で、ニュースでは連日「日経平均が最高値更新」と騒がれる。
でもその数字は、私の生活を豊かにしてくれただろうか?
いや、していない。
円安による輸出企業の利益増加が株価を押し上げ、
海外投資家が円安を武器に日本株を買い漁っている。
だがその恩恵を受けているのは、ごく一部の投資家と大企業だ。
一般の人々の家計は、逆に圧迫されている。
ガソリン、光熱費、食費。
上がるものばかりで、下がるものがない。
「株をやめるんじゃなかった」
そう思うたびに、胸の奥がチクリと痛む。
あのとき、少しの恐怖で手放した株が、
今の円安で何倍にも膨らんでいる。
しかし同時に、その株高もまた“幻影”にすぎない。
円の価値が下がった分、数字が大きく見えているだけだ。
3. インフレ税の正体:政府が黙ってあなたの財布から奪う仕組み
インフレ税——。
それは、政府が直接「税金」として取るものではない。
しかし、**実質的には国民から資産を奪う“見えない税”**である。
インフレが進むと、お金の価値が下がる。
たとえば、100万円の貯金をしていても、
物価が10%上がれば、実質的な購買力は90万円になる。
誰にも徴収されていないのに、財布の中身は確実に削られていく。
そしてそれは、最も努力して貯金してきた人ほど痛い税だ。
節約して、コツコツ積み上げた人ほど、
静かに、その努力を奪われていく。
4. 「株をやめた後悔」から見える、個人投資家のジレンマ
「安全に現金で持っておこう」
そう思ったのは間違いではなかったはずだ。
だが、その“安全”の定義が変わってしまった。
かつては、現金=価値の保存だった。
しかし今や、現金=価値の減少だ。
銀行に預けたままの通帳を見て、
数字は変わらないのに、
買えるものが減っていく現実を知る。
それは、静かな恐怖だ。
5. 私の小さな貯金が溶けていく日々
日常の中で、それを最も実感するのはスーパーのレジだ。
以前は3,000円で買えた食材が、今は4,000円を超える。
外食も控え、電気をこまめに消す。
そんな小さな努力では、もう追いつかない。
貯金は減っていないのに、
生活は苦しくなっていく。
——これが、インフレ税の現実だ。
6. それでも、私たちはどう生きるべきか——個人のサバイバル戦略
では、どうすればいいのか。
悲観するだけでは、何も変わらない。
今できる現実的なサバイバルは、
「お金を守る」ことよりも「お金を動かす」ことだ。
- 円だけでなく、外貨資産・株・金などに分散する
- スキルを磨き、副収入の道を作る
- 固定費を見直し、生活の構造をスリム化する
- 自分の「時間価値」を意識して、浪費を避ける
これは単なる節約術ではない。
貨幣価値の変化に負けない生き方の構築だ。
7. 終章:通貨と心の価値を取り戻すために
1ドル=152円。
それは単なる数字ではない。
それは、「日本という国のあり方」が問われている数字だ。
そして同時に、私たち一人ひとりが
“どう生きるか”を突きつけられている数字でもある。
お金の価値が変わっても、
私たちの努力や思考の価値は変わらない。
——それを、忘れたくない。













