社長なのにアルバイト応募──役員報酬3万円時代に気づいた「働く意味」と現実とのすり合わせ**
**【はじめに】
会社の社長というと、多くの人が「高収入」「自由」「余裕」といった華々しいイメージを抱く。しかし現実は必ずしもそうではない。私自身、経営判断の末に役員報酬を“3万円”まで下げざるを得なくなり、気づけば生活とのバランスを取れなくなっていた。
そこで私が取った行動は──アルバイトへの応募だった。
「社長がアルバイト?」
「本当にそんな求人あるの?」
自分でもそう思った。しかし、社会保険(特に健康保険)をしっかりカバーしてくれるバイトがあるらしいと知り、思い切って応募に踏み切ることにした。
本記事では、社長でありながらアルバイトに応募した私の心境、経営と生活が直面したリアル、そしてそこから見えた“働く意味の再定義”について深掘りしていく。
**【目次】
- 役員報酬3万円にした理由──経営のリアル
- 社長である前に「生活者」であるという事実
- アルバイトを探してわかった社会保険の壁
- 社長がアルバイトに応募してみた日
- プライドと現実のはざまで
- それでも前に進む理由──働き方の再構築
- 今後の展望と、同じ境遇の人へのメッセージ
- まとめ:肩書きよりも大切なもの
1. 役員報酬3万円にした理由──経営のリアル
会社を経営する以上、資金繰りや投資判断は常に付きまとう。
プロジェクトへの投資、広告・マーケティング、人件費、固定費──
そのすべてを最適化した結果として、自分の報酬を削るという選択にたどり着くことは珍しくない。
「自分が我慢すれば会社は続く」
多くの経営者が一度は通る道だろう。
ただ、月3万円という報酬設定は一般的な生活からあまりに乖離している。
正直、精神的な負荷は決して軽くない。
しかし、事業を継続させるための決断として、私はその道を選んだ。
2. 社長である前に「生活者」であるという事実
どれだけ立派な役職についていようと、家計は待ってくれない。
電気代、食費、家賃、税金、年金、保険料──
避けられない支出が容赦なく並ぶ。
役員報酬3万円では、当然ながら生活は成り立たない。
社長という肩書きは一見華やかだが、現実は“個人”としての生活をどう成立させるかが常に問われる。
そこで私が考え始めたのは、
「社長とアルバイトは両立できるのか?」
という点だった。
3. アルバイトを探してわかった社会保険の壁
今回一番のポイントは、
社会保険(特に健康保険)をカバーしてくれるアルバイト
であること。
これは意外にハードルが高い。
多くのアルバイトは
・週の労働時間
・雇用期間
・会社規模
などの条件が揃わなければ社会保険には加入できない。
ただ私は「釈迦保険」で検索した結果、どうやら
加入条件を満たすシフトを組めるアルバイトがあるらしい
という情報を得た。
半信半疑ではあったが、背に腹は代えられない。
応募するしかなかった。
4. 社長がアルバイトに応募してみた日
応募フォームの入力中、あらゆる思いが頭に浮かんだ。
「社長がアルバイトに応募するって、どうなんだろう」
「応募先からしたら驚かれるだろうか」
「いや、生活が大事だ」
心の中で葛藤しながらも、必要事項を入力し、
送信ボタンを押した瞬間、少しだけ肩の力が抜けた。
「これでダメだったらどうしよう」という不安もあったが、
同時に、「動いたことで何かが変わるはずだ」という小さな手応えもあった。
5. プライドと現実のはざまで
社長という肩書きがあることで、
「こうあるべき」といった自分の中の理想像が邪魔をすることはある。
ただ、私は気づいた。
“肩書きは生活を守ってくれない”
守ってくれるのは選択だ。
働き方を柔軟に選び直すことだ。
プライドを守るより、生活を守るほうが先だ。
そう思えたことは、むしろ私にとって大きな収穫だった。
6. それでも前に進む理由──働き方の再構築
今回、役員報酬とアルバイトの組み合わせによって、
経営に集中するための環境が整う可能性が見えた。
社長だからこそ、
副業・複業の重要性を人一倍感じている。
むしろこの経験は、
「経営者だから副業するのは変だ」という旧来の価値観を
柔らかく崩してくれた。
時代は変わっている。
働き方も、もっと自由でいい。
7. 今後の展望と、同じ境遇の人へのメッセージ
もし同じように役員報酬を下げて苦しんでいる人がいたら、
胸を張って言いたい。
「生活を守るための選択は、恥でも敗北でもない」
むしろ、会社を続けるための強さだ。
続けていれば、またチャンスは来る。
そして、必要であればアルバイトだって選択肢のひとつだ。
8. まとめ:肩書きよりも大切なもの
今回の経験を通して、私は改めて感じた。
社長である前に、私はひとりの生活者だ。
生活を守るために働く。
そのための選択肢がアルバイトであれば、それでいい。
社会保険を求めて応募した今回の行動は、
自分を守るための一歩であり、
会社を存続させるための一歩でもあった。
そしてこれは、
肩書きに縛られがちな現代人への小さなメッセージでもある。
「働き方は、もっと自由でいい」
