BCP(事業継続計画)策定(中小企業のリスク対策)について、話を聞いてきた。

大阪・関西万博の楽しみ


BCP対策について、話を聞いてきた。意外と面白かった。

まずは、リスクとクライシスの違い。

・リスク:災害・事故・不祥事が起きる前の取組み

・クライシス:災害・事故・不祥事が起きた後の対応

「想定外」と言い訳にしないことが大切。

言い訳:「想定外」の脅威→当然:「想定内」の脅威

今は、災害リスク(自然災害、人為災害)が高まっている:例:家畜伝染病、伝染病・感染症、自然災害、テロリズム、情報セキュリティ事故、サプライチェーンの途絶

令和6年3月までに、介護事業者は、「BCP策定」・「教育研修」・「訓練」を義務付けられた。

南海トラフ巨大地震:南海トラフ全域では、M8~M9クラスの30年以内の発生確率は70%~80%程度である。ライフラインが供給停止する。想定死者数は約32万人。建物全壊及び消失棟数は約238万棟、経済被害は約220兆円。

脅威を知れば事前に備えることが出来る

災害リスク「風水害(台風や集中豪雨)」6457件のうち3062件が洪水、アジアで多く起きている。

SDGsでは11.5水関連災害、13.1機構関連災害や自然災害に対する強靭性(レジリエンス=復旧力+対応力)の項目が関連する。

国際イベントは特に事業継続計画が重要。大阪は大変である。

2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)

開催期間:2025年4月13日(日)~10月13日(月)184日間

開催場所:大阪 夢洲(ゆめしま)

想定来場者数:約2820万人

経済波及効果:約2兆円(試算値)

1.事業継続の基礎知識

1.1企業防災とは

「企業防災」は、自然災害による被害を最小化する「防災」と災害時の事業活動の維持または事業中断からの早期復旧を目指す「事業継続」の2つのアプローチによる取り組みで構成されている。

「防災」:従業員や顧客の安全確保

「事業継続」:事業の継続、利害関係者の保護

1.2防災と事業継続の違い

防災事業継続
人命や財産の保護目的事業の継続
自然災害、感染症、家畜伝染病対象とする脅威事業に影響を及ぼすあらゆる脅威
被害が想定されている地域や設備適用範囲事業
死傷者数、物理的被害有効性評価復旧時間、事業への影響
原因事象考え方原因事象+結果事象

防災で事業継続が出来るわけではない。(ここがポイント)

2.事業継続計画(BCP)の策定

2.1 事業継続計画(BCP)とは

脅威が発生した際の具体的行動計画

潜在化している脅威による損失と影響を事前(平常時)に分析し、その結果に応じた対策の検討と導入を行うことで、脅威が顕在化した際(非常時)に事業継続を確実にするための各種の手順や情報を文書化した行動計画。

2.2 BCP策定のプロセス 

第1段階 事業継続の方針を定める

・会社存続の観点から事業継続の対象事業を選定する。

・CSRの観点(生命にかかわる、社会の復旧復興の足かせになる場合(保守メンテナンス事業含む))

第2段階 対象事業の中断による影響と継続案件の分析を行う

・事業影響度分析

結果事象の考え方に基づき、それぞれの事業が中断した際の時間経過に伴う影響とその事業が必要とする経営資源を分析する。

・顧客目線で供給責任を踏まえた分析を行う

・命、公共交通

第3段階 対象事業におけるリスクアセスメントを行う

・原因事象の考え方に基づき、

・地域防災計画(都道府県、市区町村)地震や水害

インターネットを活用し、情報収集を行う

・国交省:ハザードマップポータルサイト

ハザードマップポータルサイト
国土交通省が運営する、「ハザードマップポータルサイト」です。身の回りでどんな災害が起こりうるのか、調べることができます。

・大阪府:おおさか防災ネット

おおさか防災ネット

・気象庁:キキクル(危険度分布)

気象庁 | キキクル(危険度分布)
土砂災害、浸水害、洪水災害からあなたやご家族の命を守るための情報「キキクル(危険度分布)」のページです。大雨警報、洪水警報、土砂災害警戒情報等が発表されたときに、実際にどこで危険度が高まっているかを地図上で一目で確認することができます。

第4段階 分析・評価結果に基づく対策の検討と導入を行う

・分析評価の結果を踏まえて、組織にとって費用対効果が高く、現実的かつ目標復旧時間を満たすことが出来る対象を検討し、導入する。

・サプライチェーンを意識した対策も検討する

・従業員(労働力)に対する対策を検討するところから始める(必要不可欠な対策)

・感染症BCP:建物や設備に物理的な被害を発生しない、人命の安全確保、マンパワーの確保、サプライチェーンの維持

・自社の取り組みだけではBCP対策は不完全

第5段階 事業継続計画(BCP)として文書化する

・事業継続方針、事業継続計画書、初動・復旧対応手順書、新型コロナウィルス感染症対応手順書、BCP事務局運営手順書 

第6段階 事業継続計画(BCP)に基づく演習と見直しを行う

・策定したBCPの有効性を確認するために演習を実施する

・演習で出来ないことは、本番でも出来ない。リアリティの高い演習、対策間の連携

第7段階 事業継続計画(BCP)の教育を行い、正式な運用を始める

・運用を継続し、BCPの対象事業と脅威を拡大していく(BCM:事業継続マネジメント)

”防災と事業継続、復旧優先順位と目標復旧時間、初動対応と復旧対応、サプライチェーン”これらを踏まえた組織対応が必要

BCPは広範囲に及ぶ。演習を繰り返し、実行できるBCPが必要だと改めて、考えさせられた。

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