もともと昔、私がひな壇段に座っていたころ、皆と座っていた担当課長さんに引継ぎを実施することになった。自動で、多くの部下を抱える大課長である。正直、管理職は20%以上いるから、どんなフォーメーションを立てても、上手く機能するはずだ。もっとも辞めても影響が少ない職場だと判断して、会社を辞めることにした。
しかしながら、つまらない階層構造を作っているから管理者が多くなる。本当は担当課長だが、担当部長を名乗っている人間たちがいるから、「ご苦労さん」ポストが出来て、管理者の数が増えていく。トップ自らが、身を切る改革をすべきだが、自分にとって何のメリットも無いから、当然実施しない。神輿に乗っておくほうが、はるかに安全だし、楽だからだ。これは、大企業病だ。
私も担当部長にアサインされていたら、会社を辞めなかったかもしれない。同じ職能のほぼ全員が「担当部長」「主幹技師」として、横置きされたのに、私は降格されたことが、会社を辞める一つのトリガになった。
人間はプライドがどうしても邪魔して、本来の運営ができない。神輿は安泰だし、安全だから、それを崩さないようになる。抜擢もしない。
会社が自分に対し、どういうスタンスで臨んでいるかが、はっきりわかったので、辞職を決意した。円満な離婚をしたいが、そうさせてくれるかどうかだ。
それから、事務処理担当にアサインされた。これって、技術士(電気電子、総合技術監理部門)である俺である必要があるのか?、という疑問から、毎日仕事に対するモチベーションが下がってきた。
本年度当初、エネルギー政策について、技術士会内部で講演をしたが、その中で「内容は会社と関係ありません。私は、請求・支払い担当です。」というと、どれだけ、潤沢に社員が余っている会社なんだ、さすが大企業という感想を皆が持った感じだった。
技術士なんて、ほとんどいないし、全然評価されない。評価されるのは、飲み会でのごますり能力、偉い人から推薦を取り付ける力だ。大企業にとって、ごますり能力は重要な能力である。政治力も大事だ。それでも、私はこの会社が嫌になってきた。
数年にわたり、ある地域ブロック支店から、1番で推薦されて、人事部が1番で合格で返して、地域支店内の取り巻きと人事決裁の直前で、私の不合格者を入れ替えることを、T部長、M部長に何年もされてきた。こんな不正が横行しているから、そうなると、さすがにやる気は無くなるし、努力が無駄に感じる。こういう扱いの中で、会社への帰属意識が薄くなってしまった。
さすがに鈍感な私でも、これは会社からの私への挑戦状だと感じるようになった。
人事的には不正が横行している会社だと思う。12回転居させられた意味も不明確になってくるし、家族に苦労をかけた意味が無い。最初から、私は地元から動けません、と言った方が、むしろ出世しているという仕組みだ。人事不正の大会社は、給料面では総じて良いから、辞める人は少ない。こうして、会社にしがみつく人材が多く出てくる。さようなら、大企業。