
消費税はなぜ廃止できないのか? スーパーの買い物から考える生活実感とスタグフレーションの影
1. 今日の体験から見える「物価の壁」
今日はスーパーに買い物に行った。
「インフレ率は3%前後」というのが公式な数字だが、レジで支払いをする瞬間、その言葉は現実味を失う。
むしろ実感としては、20%以上の値上げが進んでいるように思える。
例えば日用品、パン、調味料、さらにはちょっとしたデザートやアイスまで。
以前なら気軽に買えていたものが、いまは「我慢しよう」という対象に変わってしまった。
結果として、私はアイスを買うのを辞めた。
健康には良いかもしれない。少しは痩せるきっかけになるかもしれない。
だが、これは本来、前向きな理由で消費を減らすのではなく、物価高で消費を制限しているという現実だ。
2. 消費税はなぜ廃止されないのか?
こうした状況でよく議論になるのが「消費税を下げればいいのではないか?」という話だ。
とくに、消費税を廃止することで家計にゆとりを与え、需要を喚起する効果が期待される。
消費税の特徴
- 所得に関係なく一律に課税される → 低所得者ほど負担感が大きい
- 生活必需品にもかかる → 毎日の食費・日用品が確実に値上がり
- 景気が悪いときにも一定の税収がある → 政府にとって安定財源
この「政府にとって安定的」という点が、最大の理由だろう。
財政赤字が深刻な日本では、消費税は「なくせない税」とされている。
だが裏を返せば、生活者を直撃する税でもある。
だからこそ「いまのように景気が弱いときに課税するのは逆効果では?」と考える人が多い。
3. スタグフレーションの影
現在の日本経済は、典型的なスタグフレーションの兆候を見せている。
- **インフレ(物価高)**は進む
- 賃金は思うように上がらない
- 景気は停滞気味
これこそが「生活は苦しいのに値段だけ上がる」という感覚の正体だ。
米国はエネルギー・IT産業の強さやドル基軸通貨の力でまだ対処できる。
だが日本は「輸入依存度が高く」「少子高齢化で需要が縮小」しているため、
より深刻に生活に跳ね返ってきている。
4. 日銀と利上げのタイミング
さらに問題なのは、金融政策だ。
利上げのチャンスを逃し続けてきた日本銀行は、
「いまから利上げをしても景気を冷やすだけ」という難しい状況に陥っている。
本来なら、景気が少し回復しているときに金利を引き上げ、
その余地を残しておくべきだった。
しかし長く続いたゼロ金利政策が、日本を動けなくしてしまった。
今後、円安がさらに進み、輸入物価が上昇すれば、
スタグフレーションはさらに深刻化するだろう。
5. 生活者としてできること
では、私たちはどうすればよいのだろうか?
(1)消費の優先順位を整理する
- 本当に必要なものに絞る
- 「ご褒美消費」を週に1回だけにするなどルールを作る
(2)健康面でのプラスに転換する
- アイスを買わない → 摂取カロリーを減らせる
- 自炊を増やす → 外食より安く、健康的
(3)声を上げる
- 消費税減税や生活支援策について、議論を広げる
- SNSや地域コミュニティで「生活実感」を共有する
6. 結論:「小さな買い物」から見える大きな課題
スーパーでの買い物。
アイスひとつを買うかどうかで悩む日常。
その背後には、日本経済全体のゆがみが存在する。
- 消費税という逆進性の強い税制度
- スタグフレーションという生活を圧迫する現象
- 利上げできない日銀という制約
この三重苦が、いまの私たちの暮らしに影を落としている。
だからこそ、単なる「愚痴」や「節約術」だけでなく、
社会全体の課題として考えていくことが必要だ。
私が今日アイスを我慢したこと。
その小さな選択は、もしかすると「日本社会の縮図」なのかもしれない。
まとめ
- 公式発表の3%インフレではなく、生活実感は20%以上
- 消費税は生活者を直撃するが、政府は安定財源として手放せない
- 日本は典型的なスタグフレーションに直面している
- 日銀は利上げのタイミングを逃し、動けない状況にある
- 生活者としては「消費の優先順位」「健康志向」「声を上げること」が重要













