
日経平均7万円なのに私の株は全部含み損…なぜ自分の持ち株だけ上がらないのか
カテゴリー:株式投資・資産運用・含み損日記
2026年10月。
ついに日経平均株価が、再び7万円台に乗った。
ニュースを開けば、
「日経平均7万円台回復!」
「AI・半導体株が上昇!」
「日本株に再び追い風!」
そんな景気のいい言葉が並んでいる。
普通なら、株を持っている人間として喜ぶところなのだろう。
「やった!日本株が上がった!」
「資産が増えた!」
「このまま最高値更新だ!」
そんな投稿をSNSに書いていてもおかしくない。
ところが。
私はスマホの証券口座を開いて、静かに画面を閉じた。
私の株、ほぼ全部含み損なんですけど。
日経平均7万円。
私の保有株、赤。
日経平均大幅高。
私の評価損益、赤。
AI関連株上昇。
半導体関連株上昇。
私の株、ほぼ無反応。
いや、銘柄によっては下がっている。
どういうことなんだ。
もしかすると私が投資している「日本株市場」と、ニュースで報道されている「日本株市場」は、名前が同じだけで実は別の世界なのではないか。
そんな気分になってきた。
日経平均7万円なのに、なぜ私の株は上がらない?
最初は単純に思った。
日経平均がこれだけ上がれば、そのうち自分の保有株にも資金が回ってくるだろう。
大型株が上がる。
その次に中型株が上がる。
そして最後に出遅れている銘柄にも資金が入る。
株式市場ではよく言われる「循環物色」というやつだ。
だから待った。
そのうち来る。
そのうち私の株にも順番が来る。
そう信じて待った。
しかし、待っても待っても来ない。
気がつけば、AI。
AI。
半導体。
データセンター。
電線。
電子部品。
またAI。
また半導体。
市場の主役は完全にそちらへ行ってしまったように見える。
実際、今回の日経平均7万円台回復を牽引した中心もAI・半導体関連だった。
10月5日の日経平均は一時70,072.13円まで上昇し、前営業日比では一時1,700円を超える上昇となった。終値でも69,946.86円、前営業日比1,637.40円高という猛烈な上昇だった。
ところが興味深いのは、その中身だ。
東証プライム市場の値上がり銘柄数は863、値下がりは633。日経平均が2.40%も上昇した割には、何もかも上昇する「全面高」ではなかった。
しかも、値上がりは大型株や半導体関連に偏っていたと報じられている。
つまり、
「日経平均が爆上げ=自分の持っている日本株も爆上げ」ではない。
ここが今回の最大のポイントなのだと思う。
日経平均7万円は「私の株が7万円相当まで上がった」という意味ではない
考えてみれば当たり前なのだけれど、含み損を抱えていると、この当たり前がものすごく腹立たしい。
日経平均が上がるニュースを見るたび、
「じゃあ、なんで私の株は上がらないの?」
と思ってしまう。
しかし日経平均は、日本に上場しているすべての会社の株価を均等に表した数字ではない。
特定の値がさ株の影響を非常に受けやすい。
10月5日時点の日経平均構成銘柄を見ると、アドバンテストだけでウェートが12%を超えている。
これはかなり大きい。
つまり一部の指数寄与度が高い銘柄が猛烈に上昇すると、
「日本株、すごい!」
という数字が作られる。
でも私の保有株が、そのパーティーの招待客に入っていなければ何も起こらない。
会場ではシャンパンが開いている。
AI関連株の投資家は踊っている。
半導体株の投資家も踊っている。
私は会場の外で含み損のスマホ画面を見ている。
同じ「日本株投資家」のはずなのに、この差は何なのだ。
私の株に入るはずだったお金は、全部AI・半導体に行ってしまったのではないか
最近、本気でそんなことを考える。
もちろん株式市場の資金は単純に「私の株からAI株へ移動した」と説明できるものではない。
それでも、投資資金には人気がある。
市場参加者が、
「これから伸びるのはAIだ」
「データセンター需要だ」
「半導体だ」
「生成AI投資はまだ続く」
と考えれば、当然そこへ資金が集まる。
そして資金が集まれば株価が上がる。
株価が上がればニュースになる。
ニュースになれば、さらに投資家が集まる。
上がるから買われる。
買われるからさらに上がる。
その反対側では、
業績がそこまで悪いわけではない。
配当も出している。
会社もちゃんと利益を出している。
でも「今のテーマではない」。
そんな銘柄が放置される。
株式市場とは残酷だ。
良い会社だから上がるとは限らない。
利益を出している会社だから今日上がるとも限らない。
そして、自分が買った価格まで市場が戻ってきてくれる保証など、どこにもない。
一番つらいのは「市場が下がって含み損」ではない
最近分かったことがある。
投資で精神的につらいのは、暴落だけではない。
むしろ、
市場が上がっているのに自分だけ儲かっていない相場の方が、精神的には苦しい。
日経平均が5,000円下がって、自分の株も下がったなら、まだ納得できる。
「今日は市場全体が悪かったから仕方ない」
と言える。
ところが、
日経平均+1,600円。
ニュースはお祭り。
SNSでは「爆益」。
そして自分の口座だけマイナス。
これは効く。
ものすごく効く。
なぜなら「損失」に加えて、「取り残された感覚」まで発生するからだ。
さらに危険なのが、
「今からAI・半導体株に乗り換えれば取り返せるのでは?」
という誘惑である。
これが怖い。
自分の持ち株を底値近辺で投げる。
その資金で大きく上昇した人気銘柄へ飛び乗る。
その直後、人気セクターが調整する。
売った株はその後上昇する。
もしこれをやったら、私はおそらくしばらく立ち直れない。
実際、AI・半導体株だって永遠に一直線で上昇するわけではない。2026年7月には半導体株の調整が日経平均を押し下げ、日経平均が6万7,000円を割り込んだ局面もあった。
「今上がっている」と「これからも上がる」は別問題なのだ。
では、含み損はもう解消不可能なのか?
ここが今日、一番考えたところだ。
正直、
「もう助からないんじゃないか」
と思う銘柄もある。
買値を見る。
現在値を見る。
必要な上昇率を計算する。
ため息が出る。
でも、ここで一度考え方を変えたい。
重要なのは、
「私の買値に戻るか?」ではなく、「今の価格から見て、この会社を保有する合理性があるか?」
なのではないか。
株式市場は、私がいくらで買ったかなんて知らない。
私が含み損で苦しんでいることも知らない。
「あと20%上がってくれれば助かるんです」
とお願いしても、市場は何もしてくれない。
だから本来考えるべきなのは買値ではない。
今の会社の利益。
今後の業績。
財務。
キャッシュフロー。
配当。
成長率。
株価指標。
そして今後の材料。
それらを見て、
「今日この価格で、この株を持っていなかったとして、新規で買いたいと思うか?」
と自分に質問する。
これはかなり厳しい質問だ。
「買わない」と即答してしまう銘柄もあるからだ。
だったら、なぜ持っているのか。
答えは簡単。
含み損だから売りたくない。
これだけだったりする。
しかし、それは投資判断ではない。
感情だ。
「塩漬け」と「長期投資」は似ているようで違う
長期投資という言葉は便利だ。
株価が下がった。
「私は長期投資だから」
さらに下がった。
「長期目線だから問題ない」
決算が悪かった。
「数年後を見ています」
さらに業績が悪化した。
「配当をもらいながら待ちます」
これは、本当に長期投資なのだろうか。
それとも損切りできなくなっただけなのだろうか。
長期投資なら、
「なぜ長期保有するのか」
を説明できる必要があると思う。
業績が伸びる。
市場が拡大する。
競争優位性がある。
財務が強い。
株主還元が期待できる。
割安である。
何かしらの根拠が必要だ。
「含み損だから売れない」は長期投資の根拠にはならない。
これは自分自身に一番言い聞かせたい。
そして最大の問題。「決算またぎ、しようかな」
さて。
ここからが本題である。
含み損を抱えた株の決算発表が近づいてくる。
すると頭の中に悪魔が出てくる。
「決算が良ければ、一気に戻るんじゃない?」
「上方修正が出たらストップ高もあるかも」
「ここまで耐えたんだから、決算くらいまたごうよ」
分かる。
ものすごく分かる。
むしろ今の私は、その誘惑の真ん中にいる。
決算で好材料が出れば、長く苦しんだ含み損が一気に縮小する可能性もある。
場合によってはプラスへ戻る可能性だってある。
しかし当然、逆もある。
決算が市場期待に届かなければ、大きく売られる可能性がある。
特に怖いのは、
「増収増益だったのに下がる」
というパターン。
初心者の頃は意味が分からなかった。
決算が良いのになぜ下がるのか。
でも株価は過去の成績表だけを見て動いているわけではない。
市場予想。
会社計画。
来期見通し。
利益率。
受注。
ガイダンス。
そして決算前までに株価へどれくらい期待が織り込まれていたか。
それらとの比較で動く。
だから「良い決算=上がる」とは限らない。
私が決算またぎ前に確認すること
そこで今回は、感情だけで決算をまたがないために、自分なりのルールを作ることにした。
まず確認するのは、「決算翌日に20%下落しても、その株を持ち続けたいか」。
次に、「決算が悪かった場合の撤退条件を決めているか」。
さらに、「決算またぎが投資なのか、一発逆転狙いになっていないか」。
そして最も重要なのが、
「含み損を取り返したいから決算をまたぐ」という理由だけになっていないか。
もし理由がこれだけなら、かなり危険だと思っている。
決算またぎをするなら、
「外れたらどうするか」
を決算発表前に決めておく。
全部持ち越す必要もない。
一部を減らして決算を迎える方法もある。
ポジションサイズを小さくしておけば、悪材料が出た場合のダメージも抑えられる。
決算またぎは「する・しない」の二択ではない。
保有量を調整するという第三の選択肢もある。
これを忘れないようにしたい。
「助かるまで待つ」から「資金をどこに置くか」へ
含み損になると、自分の買値が世界の中心になる。
1,500円で買った株なら、
「1,500円に戻ってほしい」
と毎日考える。
1,200円まで戻れば、
「あと300円!」
1,400円まで戻れば、
「もう少し!」
そうやって株価を見る。
でも、本当に考えるべきことは違う。
その資金を今後1年間そこへ置いた場合と、別の場所へ置いた場合、どちらが合理的なのか。
もちろん未来は誰にも分からない。
AI株へ乗り換えれば正解という話でもない。
むしろ人気テーマへの高値追いには別のリスクがある。
だから私が今やるべきなのは、
「AI株を買わなかった自分は失敗だった」
と後悔することではない。
保有株を一社ずつ見直すことだ。
業績が崩れていないなら保有。
投資理由が残っているなら保有。
割安性があり、待つ理由があるなら保有。
逆に、投資理由そのものが崩れているなら、「買値に戻るまで」という理由だけで持ち続けない。
そして余力を残す。
これが今のところ、自分の中で一番納得できる答えになっている。
日経平均7万円時代に学んだ「分散」の本当の意味
今回かなり痛感したのが、分散投資の意味だ。
私はこれまで、
「10銘柄持っているから分散している」
くらいに考えていた。
でも10銘柄すべてが似たような特徴なら、本当の意味では分散になっていない。
大型・中小型。
成長株・割安株。
輸出・内需。
景気敏感・ディフェンシブ。
高配当・成長。
そして個別株だけでなく指数。
こうした違う値動きをする資産を組み合わせて初めて、「市場が上がっているのに私だけ全部マイナス」という悲劇を多少減らせるのかもしれない。
日経平均が7万円まで上昇して初めて、
「指数を持つ意味」
を痛感するとは皮肉なものだ。
指数が上がるたびに悔しいなら、最初からポートフォリオの一部に指数連動商品を入れておくという考え方もある。
もちろん個別株には個別株の面白さがある。
企業を調べる。
決算を読む。
予想する。
当たった時の喜びも大きい。
私はたぶん、これからも個別株をやめられない。
だからこそ、
個別株100%で「私だけ違う市場」を作らないこと。
これが今回の教訓になりそうだ。
それでも私は株をやめない
日経平均7万円。
私の株は含み損。
文字にすると、なかなか悲惨である。
でも投資をしていなかったら、こんなことを考えることもなかった。
株価指数の仕組み。
資金循環。
人気セクター。
決算。
企業価値。
機会損失。
ポートフォリオ。
そして自分自身の欲と恐怖。
投資を始めてから、お金だけではなく自分の感情について考える時間が増えた。
上がればもっと欲しくなる。
下がれば買値に戻ってほしくなる。
他人が儲かれば焦る。
人気株が上がれば飛び乗りたくなる。
損をすると取り返したくなる。
株式市場は、企業分析の場所であると同時に、人間の感情がむき出しになる場所なのだと思う。
だから今回も、
「含み損解消はもう不可能かもしれない」
と絶望するだけでは終わりたくない。
一社ずつ決算を確認する。
なぜ買ったのかをもう一度書き出す。
今からでも買いたい会社なのか考える。
決算をまたぐなら、悪かった時の行動を先に決める。
そして「助かるかどうか」ではなく、
これから自分のお金をどこに置くのが最も納得できるか
で判断する。
そうしたい。
今日の結論――上がる市場は、確かに私とは別の市場だった。でも永遠にそうとは限らない
日経平均が7万円台を回復した。
しかし私の持ち株は含み損。
市場は盛り上がっているのに、私は全然儲かっていない。
悔しい。
かなり悔しい。
AI・半導体株を持っている人を見れば、
「私も買っておけば……」
と思う。
でも、過去に戻ることはできない。
そして今日の人気銘柄が、明日の人気銘柄とは限らない。
だから今できることは、上がった株を眺めて後悔することではない。
自分の保有株に「これから上がる理由」が残っているか確認すること。
これに尽きる。
決算またぎについても同じだ。
「含み損を一発で取り返したい」
という気持ちでまたぐのではなく、
「この会社の決算リスクを取ってでも保有したい」
と思えるのか。
そこを考える。
それでも私は、たぶん何銘柄か決算をまたぐ。
怖い。
ものすごく怖い。
でも、またぐなら覚悟を決めてまたぐ。
そして結果が悪かったら、
「いつか戻るはず」
ではなく、もう一度ゼロから会社を評価する。
日経平均7万円。
私の株は含み損。
上がる市場は、今のところ私とは別の市場らしい。
でも株式市場は長い。
AIと半導体だけが永遠に上がり続けるわけでもなければ、今売られている株が永遠に売られ続けるとも限らない。
いつか資金がこちら側へ来る日があるのか。
それとも、その前に私が損切りすることになるのか。
そして今回の決算をまたぐのか。
まだ答えは出ていない。
ただ一つ決めた。
「買値に戻ってくれ」という祈りだけでは、もう投資判断をしない。
次の決算。
怖いけれど、ちゃんと数字を見よう。
そして未来の自分が今日を振り返ったとき、
「あの含み損が、投資のやり方を変えるきっかけだった」
と思える日にしたい。
……できれば、その前に私の株も上がってください。
本当にお願いします。
※この記事は筆者個人の投資記録・考え方をまとめたもので、特定の銘柄や金融商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の資産状況、リスク許容度等を踏まえて行ってください。

