【2026年台風】シルバーウィークは豪雨・高潮に警戒!東京・大阪の海抜ゼロメートル地帯と埋立地のリスク

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【2026年台風】シルバーウィークは豪雨・高潮に警戒!東京・大阪の海抜ゼロメートル地帯と埋立地のリスク

【防災】シルバーウィークを前に、もう一度「自分が住んでいる土地」を考えてみた

最近の豪雨を見ていると、「雨が降った」という言葉だけでは説明できないような災害が増えているように感じます。

短時間に猛烈な雨が降り、道路が川のようになり、地下道やアンダーパスに水が流れ込み、車が動けなくなる。

河川の近くではないから大丈夫、海から離れているから大丈夫、ハザードマップの色が付いていないから大丈夫――。

そんな従来の感覚だけでは判断できない時代になってきました。

そして2026年のシルバーウィーク。

気になるのが台風です。

9月16日に大型の台風25号「ドゥージェン」が発生し、シルバーウィークにかけて日本の南から東日本方面へ進む予想が出ています。さらに秋雨前線も日本付近に停滞しやすく、台風から流れ込む暖かく湿った空気によって、台風本体から離れた地域でも雨が強くなる可能性があります。

つまり、注意するべきなのは「台風の中心が自分の街に来るか」だけではありません。

豪雨、内水氾濫、河川氾濫、道路冠水、アンダーパス、地下空間、高潮。

都市には複数の水害リスクが重なっています。

今回は東京と大阪、特に大阪の歴史と地形を見ながら、「都市の水害」について考えてみたいと思います。


アンダーパスはなぜ豪雨に弱いのか

最近、特に気になるのがアンダーパスです。

アンダーパスとは、鉄道や道路などの下をくぐるため、周辺より道路面が低くなっている場所です。

国土交通省によると、このようなアンダーパスは全国に約3,800か所あります。

普段なら非常に便利な道路です。

しかし豪雨になると、状況が一変します。

道路の低いところに周囲から雨水が集まり、排水ポンプや排水路の能力を雨量が上回ると、水位が急激に上昇することがあります。

車を運転している側からすると、

「この程度なら通れるだろう」

と思って進入した数十秒後には、状況がまったく変わっている可能性があります。

水深は運転席から判断しにくく、夜間であればなおさらです。

国土交通省は2026年8月の千葉豪雨などでアンダーパスの冠水による人的被害が発生したことを受け、9月16日、直轄国道における予防的な事前通行規制の対象を、それまでの7か所から22か所へ拡大すると発表しました。

これはかなり重要な動きだと思います。

災害が起きてから通行止めにするのではなく、

「危なくなる前に止める」

という考え方です。

私たち個人も同じ発想を持つ必要があります。

豪雨の日に重要なのは「行けるかどうか」ではなく、「行かなくて済むかどうか」です。


「ハザードマップで色が付いていないから安全」とは限らない

水害というと、多くの人は川の氾濫を思い浮かべます。

しかし都市部では「内水氾濫」も重要です。

短時間に大量の雨が降り、下水道や排水施設の処理能力を超えてしまえば、河川が氾濫していなくても道路や住宅地が浸水することがあります。

特に、

地下駐車場
地下街
地下鉄入口
アンダーパス
周囲より低い道路
低地にある住宅
低い場所にある駐車場

などには注意が必要です。

水は当然、高いところから低いところへ流れます。

これは非常に単純な話ですが、都市生活をしていると、私たちは地面の高低差をあまり意識しなくなっています。

いつも通っている道路が、周辺より1メートル低い。

自宅の駐車場が道路より少し低い。

駅へ行く途中に地下道がある。

こうした小さな高低差が、猛烈な雨のときには大きな違いになります。

防災で必要なのは「住所を見ること」だけではなく、「地形を見ること」なのだと思います。


東京で心配される「海抜ゼロメートル地帯」

東京も高潮リスクを抱えています。

東京都は、想定し得る最大規模の高潮が発生した場合の「高潮浸水想定区域図」を公表しています。

2024年に改定された想定では、高潮による浸水想定区域は約184平方キロメートル。

しかも一部では、排水が完了するまで浸水が1週間以上継続する想定となっています。

東京湾岸だけを見ていてはいけません。

東京東部には低地が広がり、海面より地盤が低い、いわゆる海抜ゼロメートル地帯があります。

ここで考えておきたいのが、

「海から少し離れているから高潮は関係ない」

とは必ずしも言えないということです。

高潮は海岸だけの問題ではなく、河川を通じて水位上昇の影響が内陸へ及ぶ可能性があります。

大都市では地下鉄、地下街、地下駐車場など地下空間も多いため、地上の浸水が地下へ流入することも考えなければなりません。

だからこそ、高潮警報などが出てから初めて考えるのでは遅いのです。


大阪も「海より低い街」を抱えている

そして大阪です。

大阪府自身が「海より低いまち大阪」という防災資料を公開しています。

大阪では昭和初期以降、工業用水などとして大量の地下水をくみ上げたことによって地盤沈下が進みました。

大阪府によれば、西大阪地域には標高0メートル以下の地域が約21平方キロメートル、大阪湾の朔望平均満潮位より低い地域が約41平方キロメートルあります。

つまり大阪には、堤防や水門などによって守られている地域が相当存在するということです。

大阪湾は湾の奥に位置するため、台風による高潮についても考えておかなければなりません。

大阪府の高潮浸水想定では、既往最大規模の台風として室戸台風級の910hPaを想定し、さらに高潮と河川洪水が同時に起こる条件や、最悪の場合には堤防等が決壊する条件まで考慮しています。

ここで大事なのは、

「大阪は危険だ」

と怖がることではありません。

自分が生活している土地が、どのような仕組みによって守られているのかを知ることです。


住吉大社が教えてくれる「大阪と海」の歴史

大阪の地形を考えていると、非常に興味深い場所があります。

住吉大社です。

住吉大社は「海の神様なのか?」と思って調べてみると、実際に住吉大神は古くから「海の神」「航海安全の神」として信仰されてきました。

住吉大社の公式説明によれば、住吉大神は底筒男命・中筒男命・表筒男命の三柱。

海上交通や航海安全と深いつながりがあります。

さらに面白いのが、住吉大社の立地です。

今の地図だけを見ると、

「住吉大社は海からかなり離れているではないか」

と思います。

しかし昔は違いました。

国土交通省の多言語解説では、住吉大社はもともと大阪湾の岸辺から数メートルほどの場所に建っていたと説明されています。

その後、自然の土砂堆積や埋め立てなどによって海岸線は西へ移動し、現在ではかつての海岸線から大きく離れています。

その距離は約7kmとも説明されています。

つまり住吉大社を見ることは、大阪の「昔の海岸線」を想像するヒントになるのです。


「住吉大社より東が埋立地」ではない。重要なのは西側

ここは誤解しやすいところなので整理しておきます。

「住吉大社より東側が埋立地」という理解ではありません。

方向は基本的に逆です。

古代の住吉周辺では、現在より海岸線がずっと東側にあり、住吉大社付近は海に近い場所でした。

そこから海岸線が西へ移動していきました。

したがって現在の大阪湾方向、つまり住吉大社から見れば主として「西側」に、後世形成された土地や埋立地が広がっています。

もちろん、「住吉大社より西側は全部人工的な埋立地」と単純に線を引くこともできません。

自然の堆積によって形成された土地もありますし、江戸時代以降の新田開発、近代以降の港湾埋め立てなど、土地が形成された時代も方法も違います。

だからこそ面白い。

現在の大阪の地図だけでは分からない「昔の海」が、街の下に隠れているのです。


では、大阪の埋立地は危険なのか?

ここが今回、一番考えたいところです。

「埋立地=危険」

と単純に決めつけるのは正確ではありません。

一方で、

「新しく造った土地だから安全」

とも言い切れません。

重要なのは、埋立地かどうかという名称ではなく、

地盤高は何メートルなのか。
どんな材料で造成されたのか。
護岸はどの高さまで対応しているのか。
高潮対策はどうなっているのか。
津波想定はどうなっているのか。
液状化リスクはどうなのか。
地盤沈下は想定されているのか。
電気・上下水道・道路などのインフラが被災した場合どうなるのか。
避難経路は確保できるのか。

という個別条件です。

例えば大阪市は、咲洲・舞洲・夢洲などについて、主に粘土質の浚渫土や市内の建設残土で造成されているため「大部分が液状化しにくい地盤」と説明しています。

また、津波や高潮を想定した地盤高、護岸のかさ上げなどの対策も進められています。

一方で、2018年の台風21号では、咲洲・舞洲・夢洲の一部で高波等による浸水被害が発生しました。

つまり答えは、

「埋立地だから危険」

でも、

「対策しているから絶対安全」

でもありません。

災害は「土地の条件」と「防災設備」と「災害の規模」の組み合わせで考える必要があります。


高潮と津波は同じではない

ここも重要です。

高潮と津波は別の現象です。

高潮は主に台風や発達した低気圧によって海面が異常に上昇する現象。

気圧が下がることで海面が持ち上げられる「吸い上げ効果」と、強い風によって海水が岸へ吹き寄せられる「吹き寄せ効果」などによって起こります。

一方、津波は海底で起こる大規模な地震などによって海水そのものが大きく動く現象です。

だから、

「津波対策があるから高潮も大丈夫」

「高潮対策があるから津波も大丈夫」

とは限りません。

自宅周辺のハザードマップを見る場合も、

洪水
内水氾濫
高潮
津波
土砂災害

を別々に確認することが大切です。


シルバーウィークの旅行で特に気をつけたいこと

台風が近づく大型連休で怖いのは、「せっかく予約したから」という心理です。

ホテルを予約した。

新幹線を予約した。

飛行機を予約した。

家族も楽しみにしている。

だから少しくらい天気が悪くても行こう。

その判断が危険につながることがあります。

旅行の場合は、自宅周辺だけではなく「目的地」と「移動経路」のリスクも確認する必要があります。

特に車の場合、

高速道路を降りた後にアンダーパスがないか。

宿泊施設が海沿いではないか。

地下駐車場に車を置くことにならないか。

川沿いのキャンプ場ではないか。

帰宅ルートが一本しかない場所ではないか。

こうしたことまで確認しておきたいところです。


私が考える「豪雨・台風前の10分間チェック」

難しい防災知識がなくても、10分あればできることがあります。

まずスマートフォンで自治体のハザードマップを開きます。

そして自宅、職場、学校、実家などを確認します。

次にGoogleマップなどで、普段使っている道路を見ます。

アンダーパスや地下道、川沿いの道路がないかを確認します。

さらに、豪雨時に車を高い場所へ移動させられるか考えておきます。

スマートフォンとモバイルバッテリーを充電する。

数日分の水と食料を確認する。

薬を切らしていないか確認する。

懐中電灯を確認する。

家族の連絡方法を決める。

避難場所を確認する。

たったこれだけでも違います。


「避難する」とは避難所へ行くことだけではない

避難というと学校や体育館へ行くイメージがあります。

しかし、水害時に外へ出ること自体が危険になる場合があります。

大阪市のハザードマップでも、風雨が激しいときの移動はかえって危険になる場合があり、安全が確保できている場合には自宅待機も避難方法の一つとしています。

安全な親戚宅や知人宅へ早めに移動する。

ホテルへ移動する。

安全な建物の上階へ移動する。

危険が迫る前に区域外へ出る。

状況によって選択肢は変わります。

重要なのは「避難指示が出てから考える」のではなく、

「この条件になったら自分はこう動く」

と事前に決めておくことです。


災害は「地名」ではなく「標高」で考えてみる

今回、大阪の歴史を調べていて改めて感じたのは、都市を見るときに標高という視点を持つ面白さです。

私たちは普段、

梅田
難波
天王寺
住吉
西九条
此花
住之江

といった「地名」で街を認識しています。

しかし水は地名を知りません。

行政区も知りません。

水が従うのは地形です。

高い場所から低い場所へ流れる。

海面が上昇すれば低い場所へ入ってくる。

排水能力を超えれば道路にあふれる。

非常に単純です。

だから防災では、

「私は大阪市に住んでいる」

だけではなく、

「自宅の標高は何メートルなのか」

「周辺で一番低いところはどこなのか」

「昔ここはどんな土地だったのか」

まで知っておくと、災害の見え方が変わります。


住吉大社が海のそばだったことを知ると、大阪の見え方が変わる

現在の住吉大社を訪れて、そこがかつて海岸近くであったと想像するのは簡単ではありません。

しかし昔の大阪湾は、現在とはまったく違う姿をしていました。

海岸線は長い年月をかけて変化し、人間もまた土地を造り続けてきました。

そこに港ができ、工場ができ、住宅ができ、高速道路ができ、鉄道ができ、巨大都市が形成されました。

大阪の繁栄そのものが「水」とともにあったとも言えます。

だからこそ、水を怖がるだけではなく、水の性質を知ることが大切なのだと思います。

住吉大神が航海安全の神として信仰されてきたことも、海とともに生きてきた大阪の歴史を象徴しているように感じます。


まとめ――「どこが安全か」ではなく「何が起きたらどうするか」

「埋立地は安全なのか?」

「海抜ゼロメートル地帯は危険なのか?」

「東京と大阪は高潮に耐えられるのか?」

これらに単純なYES・NOで答えるのは難しいでしょう。

同じ埋立地でも標高や造成方法、防潮設備は違います。

同じ大阪市内でも地形は違います。

同じ場所でも、豪雨、高潮、津波、河川氾濫では危険性が変わります。

だから私たちができる一番現実的な防災は、

「自分の場所を知ること」

です。

自宅の標高。

高潮の浸水想定。

内水氾濫の想定。

避難場所。

避難経路。

いつも使うアンダーパス。

車を逃がせる場所。

家族との連絡方法。

これらを一度確認しておくだけでも、突然の豪雨に対する判断は大きく変わります。

シルバーウィークは本来、旅行や帰省を楽しむ時間です。

だからこそ、台風情報を見ながら「大丈夫だろう」で終わらせず、出発前に10分だけ防災について考えてみる。

旅行先のハザードマップを一度見る。

危険なら予定を変える。

雨が猛烈になる前に移動する。

アンダーパスには入らない。

地下へ逃げない。

高潮が予想されるなら早めに安全な場所へ移動する。

災害時に最後に命を守るのは、こうした小さな判断の積み重ねなのだと思います。

大阪の街を歩くとき、住吉大社の西側に広がる現在の街を見ながら、

「昔、この先には海が広がっていた」

と想像してみるのもいいかもしれません。

街の歴史を知ることは、防災を知ることにもつながります。

海とともに発展してきた東京と大阪。

これからも海とともに暮らしていく以上、「水を完全に防ぐ」という発想だけではなく、

水が来たときに、どう命を守るのか。

それを一人ひとりが知っておくことが、これからの都市防災で最も重要なのではないでしょうか。

※台風の進路・強さ・高潮予測は変化します。旅行や外出前には気象庁、自治体、交通機関等の最新情報を必ず確認してください。

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