日本のガソリンはなぜ安い?アメリカとの価格差とガソリン補助金・インフレの関係を考える

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日本のガソリンはなぜ安い?アメリカとの価格差とガソリン補助金・インフレの関係を考える

カテゴリー:日本経済/インフレ/ガソリン価格/補助金/中小企業/物価高/財政/長期金利/株式投資

最近、ガソリン価格を見ながら不思議に思ったことがあります。

日本のガソリン、意外と安くないか?

もちろん昔と比べれば十分高いです。

車を使う人間にとってガソリン代は重い。

会社で車を使えば、燃料費の上昇はそのまま経費にも響きます。

でも海外を見ると、もっと驚きました。

世界最大級の産油国であるアメリカでもガソリン価格がかなり上昇している。

米国EIAの統計では、2026年9月7日のレギュラーガソリン全米平均価格は1ガロン4.157ドルでした。

1ガロンは約3.785リットルなので、1リットルあたり約1.10ドルです。

ここへ為替を掛けると、日本円換算でもかなりの価格になります。

すると、

「産油国のアメリカより、原油の大部分を輸入している日本のガソリンが安く見える局面があるのはなぜ?」

という疑問が出てきました。

そして調べていくと、当然ながら日本には燃料価格を抑える政策があります。

ここで自分は少し怖くなりました。

ガソリン価格が抑えられている。

電気料金にも政策支援が入ることがある。

物価指数にも、その実際に消費者が支払った価格が反映される。

だったら、

インフレそのものが収まったのではなく、補助金によって「インフレの痛み」が見えにくくなっているだけではないのか。

今回はそんな疑問を、株初心者であり、小さな会社の経営にも関わる自分なりに考えてみたいと思います。


アメリカは世界最大級の産油国なのにガソリンが高い

最初に自分が勘違いしていたことがあります。

産油国ならガソリンは安い。

そんな単純なものだと思っていました。

しかし実際のガソリン価格は、

原油価格。

精製コスト。

輸送費。

在庫。

製油所の稼働状況。

税金。

地域差。

需給。

など、いろいろな要素で決まります。

だから、

「原油をたくさん生産している=ガソリンが必ず安い」

ではありません。

実際、米国のレギュラーガソリン平均価格は2026年2月には3ドルを下回っていたのに、3月以降大きく上昇し、9月7日時点では4.157ドル/ガロンとなっています。

かなり大きな変化です。


一方の日本は原油輸入国

日本はどうでしょう。

日本にはアメリカのような巨大な原油生産能力がありません。

原油価格が上がる。

さらに円安になる。

すると本来、

原油価格上昇×円安

というダブルパンチになります。

輸入価格が上がる。

製油コストが上がる。

物流費も上がる。

ガソリン価格も上がる。

普通に考えればそうなるはずです。

ところが政府が価格上昇を抑える。

ここに、

補助金・価格支援

が入ります。


補助金はありがたい

最初に書いておきたいのですが、自分は、

「ガソリン補助金なんて全部やめろ」

と言いたいわけではありません。

むしろ会社経営が苦しい今、

ガソリン200円。

220円。

250円。

と急激に上がったら困ります。

物流企業。

建設会社。

営業車を使う会社。

農業。

漁業。

地方の家庭。

車が生活必需品になっている人。

影響は非常に大きい。

だから急激な価格変動に対して政府が緊急的にショックを和らげることには意味があります。

問題はその先です。


補助金で原油そのものが安くなったわけではない

ここを自分は勘違いしてはいけないと思いました。

例えば本来のガソリン価格が200円/Lだったとします。

でも政策支援によって消費者が180円/Lで買える。

消費者としては助かります。

20円安い。

50L入れれば1,000円違います。

でも、

原油そのものの価値が20円分消えたわけではありません。

誰かが負担しています。

政府による支援なら、その負担は政府部門へ移っています。


「インフレを消す」のではなく「負担する場所を変える」

ここで今回の記事の一番大事なところです。

自分なりに考えると、

補助金というのは、

インフレを完全に消す政策というより、価格上昇の負担を別の場所へ移す政策

と考えた方が分かりやすいのではないでしょうか。

本来、

消費者100。

だった負担を、

消費者80。

政府20。

にする。

家計は助かります。

でも政府の20はどこから来るのか。

税金。

歳入。

国債。

最終的には政府の財政です。


ガソリンスタンドから消えたインフレはどこへ行ったのか

ここで自分の頭の中に一つのイメージができました。

原油価格上昇。

ガソリン価格上昇。

政府が補助。

ガソリンスタンドでは値上がりが小さく見える。

では、

消えた値上がり分はどこへ行った?

消えたわけではありません。

政府負担。

企業負担。

財政負担。

別の場所へ移動している。

そう考えると分かりやすい。


CPIにも補助金の影響が出る

総務省の消費者物価指数は、家計が購入する財・サービスの価格変化を測る統計です。調査された小売価格が指数作成に使われます。

ということは当然、

政府の政策によって消費者が実際に支払う電気・ガス・燃料などの価格が抑えられれば、

CPIにもその影響が表れる

ことになります。

だからCPIだけを見て、

「インフレが収まった!」

と判断するのは少し注意が必要なのではないかと思います。


日本のCPIは1.9%、でも本当に全部落ち着いたのか

2026年7月の全国CPIは前年同月比1.9%上昇。

生鮮食品を除く総合指数は1.8%上昇。

生鮮食品とエネルギーを除いた指数も1.9%上昇でした。

数字だけを見ると、

「2%くらいなら普通では?」

と思います。

でも会社をやっている自分の感覚とは少し違います。

材料費。

人件費。

電気代。

物流費。

保険料。

借入金利。

いろいろなものが高い。

「本当にインフレ1.9%の世界なのかな」

という感覚があります。


家計も楽になっているわけではない

さらに気になるのが消費です。

総務省の家計調査によると、2026年7月の二人以上世帯の実質消費支出は前年同月比3.6%減少しました。

これはかなり気になります。

CPIだけを見ると1.9%。

でも実質消費はマイナス。

つまり、

物価上昇率が少し落ち着いて見えても、家計が楽になったとは限らない

ということです。


「インフレ率低下」と「物価が安くなる」は違う

ここも株を始めてから知りました。

インフレ率が、

4%。

3%。

2%。

になった。

するとニュースでは、

「インフレ鈍化」

と言います。

でもこれは、

物価が下がったという意味ではありません。

値上がりするスピードが遅くなっただけ。

100円。

104円。

107円。

109円。

こんな感じです。

109円が100円へ戻ったわけではありません。


だから生活者の感覚とCPIがズレる

これなら、

「インフレ率は下がっています」

と言われても、

「全然安くなってないけど?」

と思う理由が分かります。

一度上がった価格水準がそのまま残っているからです。

さらに補助金で一部価格だけ抑えられているなら、

体感とのズレはもっと複雑になります。


自分の会社ではインフレが消えていない

そして自分にとって一番現実的なのは会社です。

自分の会社も経営は苦しい。

決算は静かな赤字。

物価高。

材料費上昇。

人件費上昇。

物流費上昇。

そして今度は借入金利まで上がってくる。

ガソリン価格が政策で少し抑えられていても、

会社全体のコスト上昇が消えるわけではありません。


消費者物価とは別に「企業のインフレ」があるのではないか

最近、自分はCPIだけではなく、

企業側が感じているインフレ

を見る必要があると思っています。

企業には、

仕入価格。

電気代。

燃料費。

賃金。

物流費。

外注費。

借入金利。

があります。

これらが全部上がる。

でも販売価格を同じだけ上げられない。

すると、

企業がインフレを吸収する

ことになります。


価格転嫁できない中小企業が「防波堤」になってしまう

例えば、

仕入れ10%上昇。

人件費5%上昇。

物流費8%上昇。

でも販売価格3%上昇。

差額は誰が負担するのか。

企業です。

つまり中小企業が利益を削って、

最終消費者へのインフレ転嫁を食い止めている

場合があります。

それは長く続きません。

利益が減る。

赤字になる。

賃上げできない。

設備投資できない。

採用できない。

最悪の場合は廃業する。


「物価が上がっていない」の裏側で企業が苦しんでいる可能性

だから自分は、

スーパーやガソリンスタンドの価格だけではなく、

企業決算を見たいと思うようになりました。

売上。

粗利益率。

営業利益率。

営業キャッシュフロー。

支払利息。

こういう数字を見る。

消費者価格がそれほど上がっていなくても、

企業利益が急激に落ちているなら、

誰かが価格上昇を吸収している

ということです。


そして補助金には出口が必要になる

もう一つ心配なのが、

補助金をいつまで続けるのか

です。

緊急時に半年。

これは分かります。

でも1年。

2年。

3年。

と続けばどうなるでしょう。

消費者は補助金込みの価格に慣れます。

例えば180円が普通になる。

ところが本来価格200円。

政府が、

「補助金を終了します」

と言った瞬間、

180円→200円。

20円値上げ。

国民からすると、

「政府がガソリンを20円値上げした!」

という感覚になります。


補助金は始めるよりやめる方が難しい

これは政治的に非常に難しいと思います。

一度安くしたものを高く戻す。

支持率にも影響する。

だから、

補助金が恒常化する

可能性が出てくる。

すると財政負担が続きます。


財政でインフレを抑えるという矛盾

ここから話がさらに面白くなります。

原油高。

政府が補助金。

家計負担軽減。

消費下支え。

ここまではいい。

でも政府支出が増える。

財政負担増加。

国債発行への警戒。

長期金利上昇。

という可能性もある。

すると、

ガソリン価格を抑えるための財政支出が、別の経路で金利を押し上げる

可能性があります。

もちろん補助金だけで国債金利が決まるわけではありません。

しかし財政全体で見れば無視できないテーマです。


ガソリンは安くても会社の借入金利が高くなる?

極端に書くと、

ガソリンスタンドでは政府支援によって価格上昇を抑える。

でも、

政府債務。

インフレ。

金融政策。

国債市場。

こうした要因から長期金利が上がる。

そして銀行の貸出金利も上がる。

すると会社側では、

「ガソリンは少し安くなったけど、借入金利が上がった」

となる可能性があります。

自分のような中小企業経営者からすると、これではなかなか楽になりません。


前回書いた「資本コスト」の話につながる

前の記事では、

ゼロゼロ融資の時代は終わった。

これからは自己資本比率。

有利子負債。

ROIC。

WACC。

資本コスト。

こういうものを見る必要があると書きました。

今回のガソリン補助金の話も、実は同じところへつながります。

物価高。

補助金。

財政負担。

長期金利。

企業借入金利。

資本コスト上昇。

企業の投資採算悪化。

こういう経路です。


インフレを抑えようとして、別のところに痛みが出る

最近、日本経済を勉強していると、何かを抑えると別のところから出てくるように感じます。

ガソリン価格を抑える。

財政負担が増える。

金利を抑える。

円安になりやすくなる。

円安を抑える。

金融政策を引き締める。

利上げする。

企業の借入負担が増える。

経済って難しいです。


「補助金が悪い」で終わらせてはいけない

ただし、自分は補助金批判だけの記事にはしたくありません。

なぜなら、

今すぐ全部やめればいい。

とも思わないからです。

急激な原油価格上昇をそのまま家計や企業へ転嫁したら、

運送会社。

中小企業。

地方経済。

低所得世帯。

かなり大きなショックになります。

問題は、

補助金を緊急避難として使うのか、それとも価格を永久に隠すために使うのか。

ここだと思います。


本当に必要なのは「時間を買う補助金」ではないか

自分なら、

補助金で時間を買う。

その時間で、

省エネ投資。

物流効率化。

電力網整備。

エネルギー調達多様化。

企業の生産性向上。

価格転嫁。

賃上げ。

こういう構造改革を進める。

それなら意味があります。

でも、

補助金。

価格を抑える。

また原油高。

また補助金。

また価格を抑える。

だけなら、

根本問題を先送りしているだけ

になってしまいます。


価格には「シグナル」という役割もある

これも最近勉強しました。

価格が上がると、

消費者は節約する。

企業は省エネ投資する。

燃費のいい車へ変える。

物流ルートを効率化する。

代替エネルギーを探す。

供給側は増産を検討する。

つまり価格には、

「不足していますよ」

と経済全体へ伝える役割があります。


補助金は価格シグナルを弱める可能性がある

本当は200円。

でも補助金で170円。

消費者からすると170円です。

だったら、

「まだ大丈夫」

と思う。

本来200円なら起きたはずの節約や投資が起きにくくなる可能性があります。

だから補助金には、

家計を助けるメリットと、

価格シグナルを弱めるデメリット

の両方があります。


株式投資でも「補助金込みの利益」に注意したい

ここから株の話です。

例えば政府支援によって利益が出ている会社。

補助金。

税制優遇。

価格抑制政策。

公共投資。

こういうものがあります。

それ自体は悪くありません。

でも企業分析するときには、

「この利益は政策がなくても続くのか?」

を考えたい。

補助金終了。

利益減少。

という企業もあるからです。


エネルギー関連株を見るときにも政策を見る

石油。

電力。

ガス。

商社。

運輸。

化学。

素材。

こうした企業は、

原油価格だけ見ても分かりません。

為替。

政府補助。

価格転嫁。

規制料金。

税制。

金利。

全部関係します。

だから、

「原油上昇=石油株買い」

くらいでは足りない。


インフレ時代の企業分析はますます難しくなる

最近、自分が企業を見るとき、

以前より見る数字が増えました。

売上。

営業利益。

営業CF。

有利子負債。

支払利息。

自己資本比率。

ROIC。

為替。

原油。

そして、

政府支援。

大変です。

でも、これが企業経営なのだと思います。


CPIだけではなく「誰が負担しているか」を見る

今回一番勉強になったのはこれです。

物価を見るとき、

価格がいくらか

だけではなく、

誰が負担しているか

を見る。

消費者なのか。

企業なのか。

政府なのか。

将来の納税者なのか。


インフレの負担は消えない

例えば原油価格が世界的に上がった。

日本が輸入しなければならない。

この時点で日本経済全体としては、海外へより多くのお金を払う必要があります。

そのコストを、

家計が払う。

企業が払う。

政府が払う。

どう分けるか。

補助金政策は、

その分配を変える政策

と考えると分かりやすい。


「インフレが麻痺している」という自分の違和感

最初、自分は、

「補助金でインフレが麻痺しているんじゃないか」

と思いました。

今は少し言い換えたいです。

インフレが麻痺しているというより、

インフレの痛みを感じる場所が分散され、見えにくくなっている。

そんな感じなのかもしれません。

ガソリンスタンドでは見えない。

でも企業の利益に出る。

政府予算に出る。

国債市場に出る。

金利に出る。

そして最終的に、また家計や企業へ戻ってくる可能性がある。


中小企業経営者として怖いのは「二重の負担」

自分が一番心配しているのは、

物価高。

そして金利高。

この二つです。

仕入れが高い。

人件費も高い。

物流費も高い。

そして借入金利も高い。

売上価格へ全部転嫁できない。

これでは中小企業は苦しい。

ガソリン補助金で数円・数十円助かったとしても、

会社全体では別のコストが上がっています。


日本経済は「見えないインフレ」と戦うことになるのか

これから自分が注目したいのは、

単純なCPIだけではありません。

原油価格。

輸入物価。

企業物価。

仕入価格。

販売価格。

賃金。

ガソリン補助。

電気・ガス支援。

財政支出。

10年国債利回り。

30年国債利回り。

銀行貸出金利。

こういうものを一緒に見る。

すると、

インフレの本当の負担がどこへ移動しているか

少し分かるかもしれません。


まとめ|ガソリンが安いから「インフレ解決」ではない

今回、

「なぜ産油国アメリカより日本のガソリンが安く見えるんだろう?」

という単純な疑問から始まりました。

調べていくと、かなり深い問題につながりました。

アメリカのレギュラーガソリン価格は2026年9月7日時点で4.157ドル/ガロン。

一方、日本では政策によってエネルギー価格の急騰を和らげる仕組みがあります。

そして2026年7月の日本のCPIは1.9%。

生鮮食品を除く指数は1.8%でした。

でも、

CPIが2%前後だから、もうインフレ問題は大丈夫。

自分はそう簡単には考えないようにしたい。

なぜなら会社を経営していると、

原材料費。

人件費。

物流費。

電気代。

借入金利。

いろいろなコスト上昇を感じるからです。

そして政策で小売価格を抑えても、

経済全体からコストが消えるわけではない。

誰かが負担する。

家計。

企業。

政府。

そのどこかです。

だから今後、自分はインフレを見るとき、

「CPIは何%?」

だけではなく、

「その値上がり、本当は誰が払っている?」

と考えてみたいと思います。

ガソリンスタンドで見えなくなったインフレが、

企業の損益計算書に現れる。

政府の予算に現れる。

国債市場に現れる。

長期金利に現れる。

そして借入金利として、自分たち中小企業へ戻ってくる。

もしそうなら、

補助金はインフレを消しているのではなく、インフレの痛みが出る場所と時間を変えている

ということになります。

もちろん急激な物価高から家計や企業を守る政策は必要です。

ただ、その間に日本経済そのものを強くしなければならない。

省エネ。

生産性。

価格転嫁。

賃上げ。

設備投資。

エネルギー調達。

企業の財務体質。

そういうところを変える。

補助金で買った時間を、

次の補助金まで耐えるための時間にするのではなく、補助金がなくても耐えられる経済を作るための時間にする。

これが大事なのではないでしょうか。

自分の会社も同じです。

補助金がある。

融資がある。

助かります。

でも最後は、

自分の会社自身が利益を生み、金利を払い、それでも現金を残せる会社にならなければならない。

厳しいですが、最近はそう思います。

そして株式投資でも同じです。

政策に守られている会社を探すだけではなく、

物価高でも値上げできる。
金利が上がっても耐えられる。
補助金がなくてもキャッシュを生み出せる。

そんな会社を探したい。

ガソリン価格から始まった疑問でしたが、結局また、

「強い会社とは何なのか」

というところへ戻ってきました。

インフレが見えなくなっている時ほど、

価格だけを見るのではなく、

その価格の裏で、誰がお金を払っているのか。

これからはそこまで考えながら、日本経済と企業を見ていきたいと思います。


※本記事は2026年9月時点の公表情報をもとに、筆者個人がインフレ、エネルギー政策、財政、中小企業経営、株式投資について勉強した内容と考えをまとめたものです。日米のガソリン価格は為替、税制、油種、地域、集計時点などによって変化するため、単純比較には注意が必要です。特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。

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