
『地味だけど強い会社』を探す|月島ホールディングスに注目してみた
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中小型株の中から、
「業績が伸びていて、配当も期待できて、長く保有できそうな会社」
を探しています。
ところが、これがなかなか難しい。
スクリーニング条件を厳しくすると候補がほとんどなくなる。
反対に条件を緩めると大量に銘柄が出てきて、どこから調べればいいのか分からなくなる。
高配当だと思ったら業績がいまひとつ。
業績がきれいに伸びている会社を見つけたら、すでに株価もかなり上昇している。
「中小型株×高配当×業績成長」
そんな都合のいい会社は、簡単には見つかりません。
でも、スクリーニングだけを繰り返していても先へ進めない。
だったら、
気になる会社を一社決めて、徹底的に調べてみよう。
そう考えるようになりました。
そこで企業研究の最初の一社として気になったのが、
月島ホールディングス(6332)
です。
名前だけを見ると「何をやっている会社なんだろう?」と思う人もいるかもしれません。
自分も最初はそうでした。
ところが調べてみると、上下水道を中心とした水環境事業を大きな柱としている会社です。
水。
これは景気が良くても悪くても、私たちの生活に必要です。
そう考えると、
「意外とディフェンシブな会社なのでは?」
と思いました。
しかも配当も増加傾向。
一方で、産業機械や環境設備、二次電池関連などの事業もあります。
安定だけではなく、成長する可能性もあるのかもしれない。
今回は「この株は上がる」と予想するのではなく、
月島ホールディングスは、自分が探している中小型・高配当・業績成長株の候補になり得るのか?
という視点から調べてみることにします。
月島ホールディングスとはどんな会社?
まず最初に、
「そもそも何をしている会社なのか?」
から調べます。
月島ホールディングスグループは、上下水道やバイオマス設備などを扱う水環境事業と、産業機械・環境保全装置などを扱う産業事業を展開しています。
会社資料によれば、2024年度売上高1,392億円のうち、水環境事業が927億円、産業事業が452億円。
かなり大きな割合を水環境事業が占めています。
水環境事業では、浄水場や下水処理場などの設備を設計・建設するだけではありません。
運転管理。
メンテナンス。
補修。
部品・薬品供給。
さらに長期間にわたるPFI・DBO事業や包括委託なども手掛けています。
ここを見て、
「なるほど。単純に設備を売って終わりの会社ではないんだ」
と思いました。
月島ホールディングスはディフェンシブ銘柄なのか?
今回、自分が一番興味を持ったポイントです。
水道は生活に欠かせません。
景気が悪くなったからといって、
「今年は不景気なので下水処理をやめます」
とはなりません。
水インフラは社会を維持するために必要です。
しかも設備は建設して終わりではありません。
運転管理も必要。
メンテナンスも必要。
古くなれば更新も必要です。
この点では、月島ホールディングスの水環境事業にはディフェンシブ的な性格があるのではないかと考えています。
ただし、
「水インフラ=絶対安全」
とは考えないようにします。
会社自身も、水環境事業について地方自治体による浄水場・下水処理場等への公共投資の変動が業績に影響する可能性をリスクとして挙げています。
だから、
「生活必需インフラだから業績は絶対安定」
ではなく、
「景気に左右されにくい要素を持っているが、公共投資や案件動向など別のリスクはある」
くらいに考えておくほうがよさそうです。
水道インフラの老朽化は長期テーマになりそう
そして月島ホールディングスを調べていて、もう一つ気になったのが、
水インフラの老朽化
です。
日本では高度経済成長期などに整備されたインフラが、これから次々と更新時期を迎えていきます。
会社の中期経営計画でも、水環境事業を取り巻く国内環境として、
水インフラの老朽化。
自治体の財政難。
技術者不足。
自然災害へのレジリエンス強化。
などを挙げています。
一見するとリスクです。
しかし逆に考えれば、
「水インフラを維持・更新・効率化する技術やサービスへの需要が続く」
とも考えられます。
特に人手不足が進むなら、設備を作るだけではなく、
運転管理。
遠隔監視。
DX。
メンテナンス。
長期包括契約。
といったサービスの重要性が高まる可能性があります。
会社も中期経営計画の成長戦略として、官民連携事業の強化やライフサイクルビジネス、運転管理のDX化などを掲げています。
これは自分が今後、継続して追いかけてみたいポイントです。
「水インフラ+ストック型収益」になれば面白い
株式投資を勉強していると、
ストック型ビジネス
という言葉をよく聞きます。
一度売って終わりではなく、継続的に収益が発生する事業です。
月島ホールディングスの水環境事業を見ていると、
設備を作る。
↓
運転する。
↓
保守する。
↓
部品・薬品を供給する。
↓
更新する。
という流れがあります。
さらにPFI・DBOなどでは長期間の運営にも関わります。
こういう事業が会社の収益安定性にどれくらい貢献しているのか。
ここは今後、決算資料を読みながら詳しく調べてみたいところです。
産業事業には成長性があるのか?
一方、月島ホールディングスを完全な「水道株」と考えるのも違うようです。
もう一つの柱が、
産業事業
です。
こちらでは化学分野や二次電池製造などに関連するプラント・機器を扱っています。
乾燥機。
ろ過機。
攪拌機。
環境設備。
廃液・固形廃棄物処理設備。
など、かなり専門的な機械・プラントを手掛けています。
水環境事業が「守り」なら、
産業事業が「攻め」になるのか。
そんな見方もできるかもしれません。
もちろん産業事業は企業の設備投資動向などの影響を受けるため、こちらは水環境事業ほどディフェンシブではないでしょう。
でも、
安定性のある水環境+成長余地のある産業分野
という組み合わせは面白く感じます。
配当金が増えているのは魅力的
そして自分が中小型株を探すうえで重視しているのが、
配当
です。
月島ホールディングスの配当推移を確認すると、
2022年3月期 30円
2023年3月期 40円
2024年3月期 42円
2025年3月期 78円
2026年3月期 85円
そして2027年3月期は、
年間88円予定
となっています。
もちろん過去に増配しているからといって、将来も必ず増配されるわけではありません。
それでも、
配当がどのように推移してきたか
を見ることは、高配当株を探すうえで重要だと思っています。
「今の高配当」より「将来も配当できる会社」を探したい
最近、自分の高配当株に対する考え方が少し変わってきました。
以前は、
配当利回り○%
という数字を最初に見ていました。
でも今は、
「なぜその配当を出せるのか?」
を見るようにしたいと思っています。
現在の配当利回りが高くても、業績が悪化して減配されたら意味がありません。
それより、
利益が伸びる。
キャッシュが生まれる。
財務が安定する。
配当が増える。
株価も長期的に評価される。
そんな流れの会社を見つけたい。
月島ホールディングスについても、
「配当が高いから買う」のではなく、「配当を継続・成長させられる事業なのか」を調べる
ことが重要だと思っています。
株主還元方針も確認してみる
会社の株主還元方針も興味深いところです。
月島ホールディングスは2026年3月期から、
DOE3.5%を下限、総還元性向50%以上
という方針を掲げています。
DOEは自己資本に対する配当の割合を見る指標です。
利益だけを基準にする配当性向とは少し考え方が異なります。
こうした還元方針があることは株主として興味深いですが、
「DOEがあるから安心」
とまでは考えません。
最終的に配当の原資を生み出すのは事業です。
だからこそ、
営業利益。
営業キャッシュフロー。
受注。
財務。
このあたりを継続して追いたいと思います。
中期経営計画では売上高1,600億円・営業利益120億円を目標
企業研究をするとき、中期経営計画も見るようになりました。
月島ホールディングスは現在の中期経営計画で、2027年3月期に、
売上高1,600億円
営業利益120億円
を目標としています。
基本方針には、
「サステナビリティ経営の推進」
「事業領域の拡充とグループ収益力の強化」
「資本効率の向上と株主還元の拡充」
が掲げられています。
自分が今後確認したいのは、
目標そのものより、実際にどこまで達成できているのか
です。
中期経営計画は企業の「目標」。
決算は「結果」。
この二つを比較する。
これもファンダメンタル分析の良い練習になりそうです。
成長戦略は「創エネルギー」「官民連携」「統合効果」
水環境事業について会社が掲げている成長戦略も興味深いです。
創エネルギー事業。
官民連携。
事業統合によるシナジー。
ライフサイクルビジネス。
DX。
単純に、
「水道設備を作っています」
だけではありません。
特に日本では自治体側の人材不足も課題になっています。
そこで民間企業が設備だけでなく、運営や保守まで担う。
もしこの流れが長期的に拡大するのであれば、月島ホールディングスにとって一つの成長機会になる可能性があります。
「ディフェンシブ+成長」が実現すれば面白い
自分が月島ホールディングスに興味を持った理由を整理すると、
ここに行き着きます。
ディフェンシブ性だけではない可能性。
水インフラという社会に必要な事業。
運転・メンテナンス。
インフラ更新。
官民連携。
DX。
脱炭素。
創エネルギー。
産業設備。
環境設備。
二次電池関連。
こうして並べると、
「守りながら成長する会社になれるのか?」
というところが、この会社を見るポイントなのではないかと思えてきました。
ただし「良い会社」と「今買うべき株」は別
ここで一番大切なことがあります。
月島ホールディングスを調べて、
「面白い会社だな」
と思った。
だからといって、
今すぐ買う
とは限りません。
これは最近の自分がファンダメンタル分析を勉強して、特に意識するようになったことです。
良い会社。
良い株。
良い買い場。
これは全部違います。
どんなに良い会社でも株価が高すぎれば、期待したリターンを得られない可能性があります。
逆に一時的な悪材料で株価が下落していても、本質的な企業価値が変わっていないのであれば、長期投資家にとって興味深い場面になることもあるでしょう。
だから、
「会社を調べること」と「買値を考えること」を分ける。
これを意識したいと思っています。
月島ホールディングスで確認したい7項目
今後、自分なりに以下をチェックしていきます。
1.売上高・営業利益
3~5年程度でどのように変化しているのか。
特に営業利益が継続的に成長できているかを見ます。
2.水環境事業の利益率
売上だけではなく、利益をどれだけ残せる事業なのか。
案件構成による変動も調べます。
3.受注高・受注残高
プラント・インフラ企業では、将来の売上につながる受注を見ることも重要だと思っています。
4.営業キャッシュフロー
会計上の利益だけでなく、実際にキャッシュを生み出せているか。
5.配当・DOE
現在の配当だけでなく、将来も還元方針を維持できる収益力があるか。
6.産業事業の成長
水環境以外の事業が、会社全体の成長エンジンになるのか。
7.株価の割高・割安
最後にPER、PBR、ROEなどを確認し、
「良い会社だけれど高すぎる」
のか、
「成長を考えるとまだ検討できる」
のかを考えます。
自分のスクリーニングがうまくいかなかった理由
ここまで調べて、少し分かってきました。
なぜ自分のスクリーニングがうまくいかなかったのか。
自分は、
高配当。
PER。
PBR。
時価総額。
業績成長率。
といった数字だけで、
「良い会社を自動的に見つけよう」
としていました。
でも、会社は数字だけでは分かりません。
月島ホールディングスなら、
「水インフラ」
というキーワードを知らなければ会社の特徴が分かりません。
さらに、
水インフラ老朽化。
自治体の人手不足。
官民連携。
設備更新。
DX。
脱炭素。
こうした社会の変化まで調べて初めて、
「なぜこの会社に将来の需要があるかもしれないのか」
が見えてきます。
スクリーニングは入口、企業研究が本番
だからこれからは、
スクリーニング=答えを出す道具
ではなく、
スクリーニング=調べる会社を見つける道具
と考えることにします。
候補を見つける。
会社のホームページを見る。
事業内容を調べる。
決算短信を読む。
決算説明資料を見る。
中期経営計画を見る。
配当政策を見る。
リスクを見る。
競合企業を見る。
最後に株価を見る。
これを一社ずつ繰り返す。
時間はかかります。
でも、それが企業を見る力になるのだと思います。
企業研究第1号を月島ホールディングスにしてみる
なかなか成果が出ない。
株のスクリーニングもうまくいかない。
でも、
「勉強あるのみ」
と思っています。
だったら、最初から完璧な銘柄を探すのはやめます。
まず一社。
月島ホールディングス。
この会社を企業研究第1号にしてみます。
決算が出たら読む。
IR資料が出たら読む。
配当が変わったら理由を調べる。
受注を見る。
水環境事業を見る。
産業事業を見る。
株価も記録する。
そして、
「自分が最初にこの会社を調べたとき、何を考えていたのか」
をブログに残しておく。
半年後。
1年後。
3年後。
そのとき会社がどうなっているのか。
自分の分析が合っていたのか。
何を見落としていたのか。
それを振り返れば、かなり良い勉強になると思います。
この企業研究をYouTubeや勉強会にもつなげたい
さらに、企業研究を自分一人で終わらせる必要もありません。
例えば、
「中小型高配当株を一社ずつ調べる」
というシリーズにする。
第一回は月島ホールディングス。
次は別の会社。
毎回、
事業内容。
業績。
配当。
財務。
成長戦略。
リスク。
割安性。
を同じフォーマットで調べる。
ブログに書く。
そして将来的にはYouTubeでも発信する。
さらに何社も研究できるようになったら、企業研究の勉強会につなげる。
そんなことも考えています。
株価を予想するメディアではなく、
「企業を知るためのメディア」
にする。
以前から考えている、企業と個人投資家をつなぐ活動にもつながっていくかもしれません。
「この株は上がる」ではなく「この会社を理解する」
以前の自分なら、
株を調べる目的は、
「上がるかどうか」
でした。
もちろん今でも、買う以上は株価が上がってほしい。
配当も欲しい。
できれば生活の足しにしたい。
でも、それだけではなくなってきました。
今は、
「なぜこの会社は利益を出せるのか?」
「10年後も必要とされる会社なのか?」
「配当を出し続けられるのか?」
「どんな社会課題を解決しているのか?」
ということにも興味があります。
月島ホールディングスの場合、
水。
下水処理。
インフラ。
環境。
脱炭素。
人手不足。
設備更新。
官民連携。
いろいろなテーマがあります。
株を勉強しているはずなのに、社会の仕組みまで勉強することになる。
これが企業研究の面白いところなのかもしれません。
まとめ|中小型高配当株探しの第一歩は月島ホールディングスから
中小型株の中から、
高配当。
業績成長。
財務健全。
割安。
そんな会社を探そうとしていました。
しかし、なかなか見つかりません。
スクリーニング条件を増やしては消し。
また条件を変える。
そんなことを繰り返していました。
でも、いつまでもスクリーニング画面だけを見ていても企業分析は上達しない。
だから、
一社を深く調べることにしました。
その第一号が、
月島ホールディングス。
水環境事業にはディフェンシブ的な魅力を感じます。
配当も気になります。
水インフラ老朽化や官民連携などの長期テーマもあります。
産業事業には違った成長可能性があります。
一方で、公共投資や設備投資の変動などのリスクもあります。
そして何より、
良い会社だったとしても、現在の株価が買い場とは限りません。
だから、まだ結論は出しません。
まず調べる。
決算を読む。
数字を記録する。
株価を見る。
そして待つ。
これを続けてみます。
自分が探しているのは、
単純に「高配当の株」ではありません。
利益を成長させながら、その利益を株主にも還元し、長期的に社会から必要とされる会社。
そんな企業を、できれば良い価格で買いたい。
果たして月島ホールディングスが、その一社になるのか。
今はまだ分かりません。
でも、それでいい。
「分からないから調べる」
これが今の自分の投資です。
スクリーニングで答えが出ないなら、一社ずつ会社を知ればいい。
焦らず。
少しずつ。
企業を見る力をつけていく。
中小型高配当株の企業研究、第1号。
まずは月島ホールディングスから始めてみようと思います。
※本記事は筆者個人の企業研究・投資学習の記録であり、月島ホールディングス株その他の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。業績予想・配当予定・経営計画等は変更される可能性があります。実際の投資判断では最新の決算短信・適時開示・IR資料等をご確認ください。株式投資には元本割れ等のリスクがあります。

