
塩漬け株はいつ売るべき?含み損に悩む60歳投資家の本音
- はじめに|買った株が上がらない。どうしてこうなるのだろう
- 1.日経平均が上がっても、自分の株は上がらない
- 2.なぜ私は値下がりする株を選んでしまうのか
- 3.塩漬けという選択肢は、本当に悪いのか
- 4.損切りすると、その後に株価が上がる気がする
- 5.株価が戻るまで、何年待てばよいのだろう
- 6.塩漬けか損切りか、判断するための基準を考える
- 7.私が選ぶ株には、なぜ資金が集まらないのか
- 8.損切りも塩漬けも、正解は一つではない
- 9.60歳からの株式投資で、何を優先するべきか
- 10.これからの投資で改善したい五つのこと
- 11.株を選ぶセンスがないのか、それとも投資方法が間違っているのか
- おわりに|今日も塩漬けか損切りかで悩んでいる
はじめに|買った株が上がらない。どうしてこうなるのだろう
株式投資というのは、本当に難しい。
最近、保有している株の値動きを見ながら、そんなことばかり考えている。
私が選んだ株は、値下がりしてしまった。
しかも、当面は値上がりする可能性があまりなさそうに見える。
株価が下がっただけなら、まだ我慢できる。
しかし、これから上がる材料が見当たらないとなると、どうしたものかと悩んでしまう。
塩漬けにするべきなのか。それとも、思い切って損切りするべきなのか。
この二つの選択肢が、いつも頭の中を行ったり来たりしている。
売ってしまえば損失が確定する。
かといって、そのまま保有していても、いつ株価が戻るのかわからない。
それどころか、さらに値下がりする可能性だってある。
そして、最後にはいつも同じ結論にたどり着く。
「自分には、株を選ぶセンスがなさすぎるのではないか」
何とも情けない話である。
60歳になって、人生経験もそれなりに積んできたつもりなのだが、株式市場では、そんな経験などほとんど役に立たないのかもしれない。
今日は、含み損を抱えた株をどうするべきなのか、自分自身の反省も込めて考えてみたい。
1.日経平均が上がっても、自分の株は上がらない
最近、特に残念に感じているのが、株式市場全体と自分の保有株の値動きが一致しないことである。
日経平均株価が上昇している日でも、私の持っている株はあまり上がらない。
一方、日経平均株価が大きく下落すると、私の保有株もしっかり値下がりする。
上昇には参加できず、下落には付き合わされる。
何とも都合の悪い組み合わせである。
もちろん、これは私の保有株についての印象であり、実際にどの程度連動しているのかは、きちんと計算してみなければわからない。
それでも、毎日の株価を見ていると、そう感じずにはいられない。
私が投資してきたのは、必ずしも市場で話題になっている企業ばかりではない。
企業の事業内容や業績、配当などを見ながら、それなりに考えて選んできたつもりである。
ところが、株式市場では、企業の価値と株価が必ずしも同じ方向に動くわけではない。
どれだけ堅実な事業を営んでいても、その株を買いたい投資家が増えなければ、株価はなかなか上がらない。
反対に、将来への期待が高まれば、現在の利益水準だけでは説明しにくいほど株価が上昇する企業もある。
良い企業を選ぶことと、値上がりする株を選ぶことは、どうやら別の能力なのだ。
頭では理解している。
しかし、実際に自分のお金が減っていくと、そう簡単に割り切れるものではない。
2.なぜ私は値下がりする株を選んでしまうのか
自分の銘柄選びを振り返ると、一つの傾向があるように思う。
それは、すでに大きく値上がりしている株よりも、まだ市場から十分に評価されていないと思える株を選びたくなることである。
PERが低い。
PBRもそれほど高くない。
配当利回りも悪くない。
業績も比較的安定している。
こうした条件がそろっていると、何となく安心してしまう。
「この企業なら、いずれ市場が評価してくれるだろう」
そんな期待を持って株を買う。
ところが、株価は上がらない。
むしろ、じわじわと下がっていく。
そこで初めて気づく。
割安に見える株には、割安なまま放置される理由があるのかもしれない、と。
もちろん、割安株投資そのものが間違っているわけではない。
実際に、長期的な企業価値の向上によって株価が上昇する企業もある。
しかし、割安だからという理由だけでは、株価が上がる時期を予測できない。
市場が何を評価しているのか。
どの業種に資金が集まっているのか。
企業の利益成長は続くのか。
株主還元は充実するのか。
こうした要素も考えなければならない。
私の場合、企業の財務内容や事業の安定性には関心が向いても、株価を押し上げるきっかけを十分に考えていなかったのかもしれない。
安いと思って買った株が、さらに安くなる。
株式投資ではよくある話なのだろう。
しかし、実際に経験すると、なかなかつらい。
3.塩漬けという選択肢は、本当に悪いのか
含み損を抱えたとき、最初に考えるのは、やはり塩漬けである。
売らずに持っていれば、いつか株価が戻るかもしれない。
企業が倒産しない限り、株式そのものがなくなるわけではない。
配当を受け取りながら、何年か待つという考え方もある。
特に、業績が安定していて配当を継続している企業であれば、長期保有にも一定の合理性がある。
しかし、ここには大きな問題がある。
株価が下がったから長期保有するというのは、本来の長期投資とは違うのではないか。
最初から5年、10年と保有するつもりで買った株なら、短期的な値下がりに一喜一憂する必要はない。
ところが、数か月程度で値上がりすることを期待して買った株が下落し、仕方なく長期保有に切り替える。
これは投資戦略の変更というより、判断の先送りなのかもしれない。
そして、塩漬けには機会損失という問題もある。
例えば、50万円で買った株が40万円になったとする。
そのまま保有して株価が戻るのを待つこともできる。
しかし、40万円を別の投資に振り向けるという選択肢もある。
もちろん、乗り換えた先の株が上がる保証などない。
むしろ、私の場合、乗り換えた株まで値下がりしてしまいそうで怖い。
それでも、今持っている株を保有し続けることが、本当に最善なのかは考えなければならない。
塩漬けが悪いのではない。
保有し続ける理由を説明できなくなることが問題なのだろう。
4.損切りすると、その後に株価が上がる気がする
一方、損切りにも抵抗がある。
株価が下がったところで売却すれば、その損失は確定する。
そして、何より悔しいのは、売却した後に株価が上昇することである。
これまでの株式投資でも、そんな経験をしてきた。
もうこれ以上は我慢できない。
そう思って売却した途端に株価が反発する。
もちろん、実際には売却後も下がり続けた銘柄があったはずだ。
しかし、人間というのは不思議なもので、悔しかった経験ほどよく覚えている。
損切りした後に株価が上がると、自分の判断が完全に間違っていたように感じる。
そして、次に含み損を抱えたときには、損切りをためらってしまう。
その結果、さらに損失が拡大することもある。
まさに悪循環である。
ただ、冷静に考えてみると、損切りした後に株価が上昇したからといって、必ずしも売却判断が間違っていたとは限らない。
売却した時点で、投資の前提が崩れていたのなら、その判断には意味がある。
問題は、売却後の株価ではなく、売却時点で合理的な判断ができていたかどうかなのだろう。
そう考えれば、損切りは敗北ではなく、資金管理の一つの手段である。
理屈ではわかる。
しかし、感情がなかなか追いつかない。
5.株価が戻るまで、何年待てばよいのだろう
ここで、少し数字を考えてみたい。
株価が下落した場合、元の水準に戻るためには、下落率以上の上昇率が必要になる。
例えば、100万円で購入した株が80万円になった場合、損失は20%である。
しかし、80万円から100万円に戻るには、25%の値上がりが必要になる。
さらに株価が50万円まで下落すれば、元に戻るには100%の上昇が必要になる。
| 株価の下落率 | 元の価格に戻るために必要な上昇率 |
|---|---|
| 10% | 約11.1% |
| 20% | 25% |
| 30% | 約42.9% |
| 40% | 約66.7% |
| 50% | 100% |
こうして数字を見ると、株価の下落がいかに厄介なものかがわかる。
20%の値下がりでも、元に戻るには25%の上昇が必要なのだ。
そして、株価が25%上昇するまでに、どれほどの時間が必要なのかは誰にもわからない。
数週間かもしれない。
数年かもしれない。
あるいは、二度と元の株価に戻らないかもしれない。
株式投資において、時間は重要な資源である。
特に60歳になった今、若い頃と同じように何十年も待つという考え方には、少し無理があるようにも思う。
もちろん、年齢だけで投資期間を決める必要はない。
それでも、生活資金や将来の収入、資産形成の目的を考えれば、資金を長期間動かせなくなることには慎重でありたい。
6.塩漬けか損切りか、判断するための基準を考える
いつまでも悩んでいても仕方がない。
そこで、自分なりに保有株を整理するための判断基準を考えてみた。
① 企業の業績は悪化していないか
まず確認すべきなのは、株価ではなく企業の業績である。
売上高や営業利益が成長しているのか。
営業キャッシュフローは安定しているのか。
財務状況に問題はないのか。
配当を継続できるだけの利益や資金があるのか。
企業の収益力そのものが低下しているのであれば、株価が元に戻ることを期待するのは難しいかもしれない。
一方、業績が安定しているにもかかわらず、市場全体の下落に巻き込まれているのであれば、保有を続ける理由は残っている。
② 株価が上昇する材料はあるのか
次に考えたいのが、今後の株価上昇につながる材料である。
新製品や新規事業の成長。
利益率の改善。
自社株買いや増配。
事業再編による企業価値の向上。
こうした材料が存在するかどうかを確認したい。
ただし、材料があるから必ず上がるわけではない。
すでに株価に織り込まれている可能性もある。
大切なのは、何となく期待するのではなく、株価上昇の根拠を説明できることである。
③ 今の株価でも新しく買いたいと思うか
これは、なかなか厳しい質問である。
仮に、現在その株を保有していなかったとしたら、今の株価で新たに購入するだろうか。
もし答えが「買わない」なら、なぜ保有を続けているのだろう。
購入価格に戻ってほしいという願望だけで保有しているのではないか。
過去にいくらで買ったかは、自分にとって重要な情報である。
しかし、市場にとって、私の購入価格など何の意味もない。
株式市場は、私の損益を考慮して動いてくれるわけではないのだから。
④ その資金をいつ使う必要があるのか
最後に考えたいのは、資金の使い道である。
当面使う予定のない余裕資金であれば、長期保有という選択もできる。
しかし、生活費や近い将来必要になる資金であれば、話は違ってくる。
株価が戻るまで待てるかどうかは、企業の将来性だけでなく、自分自身の資金状況によっても変わる。
投資では利益を追求することも大切だが、生活を守ることはそれ以上に重要である。
7.私が選ぶ株には、なぜ資金が集まらないのか
最近の株式市場を見ていると、投資資金が一部の大型株や成長期待の高い企業に集中しているように感じる。
AI関連や半導体関連など、世界的なテーマを持つ企業には、多くの投資家の関心が集まりやすい。
一方、国内事業を中心とする中小型株は、業績が悪くなくても注目されにくい場合がある。
私は、こうした中小型株にも投資してきた。
しかし、企業の実力と株価の評価が一致するまでには、長い時間がかかることもある。
考えてみれば、私の投資スタイルには矛盾がある。
銘柄を選ぶときには、長期的な企業価値や割安さを重視している。
ところが、購入した後は、短期間での株価上昇を期待してしまう。
長期投資の考え方で株を選びながら、短期投資の成果を求めている。
これでは、なかなか満足できないのも当然なのかもしれない。
今後は、購入する前に、何を目的とした投資なのかを明確にする必要がある。
配当収入を目的とするのか。
数年後の企業価値向上を期待するのか。
短期間の株価上昇を狙うのか。
その目的によって、購入する銘柄も、売却する基準も変わるはずである。
8.損切りも塩漬けも、正解は一つではない
株式投資の本やインターネットの記事を読んでいると、損切りの重要性が繰り返し説明されている。
確かに、損失を小さく抑えることは大切だ。
しかし、長期投資を前提としている株まで、一定の値下がりだけで機械的に売却することが正しいとは限らない。
反対に、どんな株でも長期間持ち続ければよいというわけでもない。
結局のところ、塩漬けか損切りかという二者択一で考えること自体に無理があるのかもしれない。
例えば、保有株を次の三つに分類する方法もある。
A:長期保有を続ける株
業績や財務が健全で、保有する理由が明確な銘柄。
B:一定期間、様子を見る株
業績に大きな問題はないが、株価上昇のきっかけが見えない銘柄。次の決算発表など、判断する期限を設定する。
C:売却を検討する株
購入時の前提が崩れ、現在の株価でも新しく買いたいと思えない銘柄。
このように分類すれば、感情だけで判断することを少しは減らせるかもしれない。
また、全部を一度に売る必要もない。
保有数量によっては、一部を売却して資金を確保するという選択肢もある。
もっとも、私が保有している100株単位の銘柄では、単元未満株の売却条件や手数料などを確認する必要がある。
どんな方法にもメリットとデメリットがある。
大切なのは、自分で納得できる基準を持つことなのだろう。
9.60歳からの株式投資で、何を優先するべきか
私は60歳になった。
それでも、資産を増やしたいという気持ちは強い。
できることなら、株式投資で大きな利益を得たい。
経済的な余裕を持ち、これからの人生をもっと自由に楽しみたい。
そんな夢もある。
しかし、現実には含み損を抱え、塩漬けか損切りかで悩んでいる。
理想と現実の差は、なかなか大きい。
ただ、ここで無理をして損失を取り返そうとすれば、さらに大きな失敗につながる可能性がある。
特に気をつけたいのは、含み損を取り戻すために、リスクの高い取引を増やしてしまうことである。
損失が出ると、どうしても早く取り返したくなる。
しかし、市場は私の都合に合わせて動いてくれない。
焦って取引回数を増やせば、判断も雑になる。
だからこそ、これからは利益を追いかけることと同時に、資産を守ることも重視しなければならない。
株式投資は、生活を豊かにするための手段である。
株価の値動きに一日中振り回され、気持ちまで疲れ果ててしまうのでは、本末転倒だ。
そう考えると、保有株を整理することには、金銭的な意味だけでなく、精神的な意味もあるのかもしれない。
10.これからの投資で改善したい五つのこと
今回の反省を踏まえて、今後の投資では五つのことを意識したい。
第一に、株を購入する前に、売却条件を決めること。
いくらまで下がったら売却を検討するのか。何が起きたら投資判断を見直すのか。購入する前に考えておきたい。
第二に、割安という理由だけで株を買わないこと。
PERやPBRだけでなく、利益成長や資金の流れ、株価上昇につながる材料も確認する。
第三に、短期投資と長期投資を明確に分けること。
短期投資で失敗した株を、安易に長期保有へ変更しない。
第四に、定期的に保有株を見直すこと。
毎日の株価に一喜一憂するのではなく、決算発表や重要な経営情報を確認し、保有する理由が残っているかを考える。
第五に、損失を取り返すための取引をしないこと。
過去の損失を取り戻すことよりも、これからの資金をどう運用するかを重視したい。
どれも当たり前のことなのだろう。
しかし、その当たり前のことを実行するのが、実は一番難しい。
11.株を選ぶセンスがないのか、それとも投資方法が間違っているのか
最近は、自分には株を選ぶセンスがないのではないかと、本気で考えることがある。
もちろん、株式投資には運の要素もある。
どれだけ分析しても、予想外の出来事によって株価が下落することはある。
それでも、同じような失敗を繰り返しているのであれば、そこには何らかの原因があるはずだ。
私の場合、銘柄選びだけではなく、購入するタイミングや、売却する判断にも改善の余地があるのだろう。
そもそも、株式投資におけるセンスとは何なのだろう。
企業の将来を見抜く力なのか。
市場の資金の流れを読む力なのか。
それとも、自分の判断が間違っていたと認める力なのか。
最近は、最後の能力が特に重要なのではないかと思うようになった。
間違いを認めることは、なかなか難しい。
まして、自分のお金が減ることを受け入れるのは、もっと難しい。
しかし、損失を確定しないことと、損失が存在しないことは違う。
含み損も、自分の資産価値が減少しているという現実には変わりない。
その現実から目をそらさず、次の判断につなげることが大切なのだろう。
おわりに|今日も塩漬けか損切りかで悩んでいる
結局、今日も結論は出ていない。
値下がりした株を塩漬けにするべきなのか。
それとも、損切りして資金を回収するべきなのか。
どちらを選んでも、後悔する可能性がある。
売れば、その後に株価が上がるかもしれない。
持ち続ければ、さらに下がるかもしれない。
そして、私が一番困っているのは、当面値上がりする理由が見当たらないことである。
株価が下がっていても、将来の成長に期待できるなら待つこともできる。
しかし、上がる材料が見つからない株を、いつまで保有すればよいのだろう。
何とも難しい問題である。
ただ、一つだけ、これまでとは考え方を変えたいと思っている。
「いくらで買った株なのか」ではなく、「これから保有する価値がある株なのか」で判断すること。
言葉にするのは簡単だ。
実行するのは難しい。
それでも、この考え方を身につけなければ、同じ失敗を繰り返してしまうのだろう。
60歳になっても、株式投資ではまだまだ勉強することばかりである。
今日も保有株の一覧を眺めながら、ため息をついている。
本当に、株を選ぶセンスがなさすぎる。
それでも、投資を諦めたわけではない。
いつか、自分なりに納得できる投資ができるようになりたい。
そのためには、まず目の前の含み損と、きちんと向き合わなければならないのだろう。
皆さんは、含み損を抱えた株をどうしていますか。塩漬けにして待ちますか。それとも、思い切って損切りしますか。
私には、まだ答えが見つかっていない。
※この記事は個人の投資体験と考えを記録したものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。


