
ダイドーリミテッドを買ったら大きく下がった。資産をもっと事業に活かせないのだろうか
カテゴリー:株式投資/日本株/高配当株/資産株/企業研究/投資失敗談
ダイドーリミテッド(3205)の株を以前購入しました。
しかし、その後、株価は大きく下落。
正直なところ、
困ったな……。
というのが今の気持ちです。
株を買った理由の一つは、投資によって少しでも収入を作りたかったからです。
配当金が入る。
株価が上がれば含み益も増える。
それが少しでも生活の助けになればいい。
そんな気持ちがありました。
ところが現実は思ったようにはいきません。
株価が下がる。
含み損が増える。
そして、
「このまま持っていて大丈夫なのだろうか?」
と考えてしまう。
投資を始めてまだまだ勉強中の自分にとって、こういう状況になると判断が難しくなります。
売ったほうがいいのか。
持ち続けたほうがいいのか。
配当をもらいながら待てばいいのか。
それとも、そもそもの投資判断が間違っていたのか。
考えているうちに、一つ気になったことがあります。
ダイドーリミテッドには、本業以外にも不動産や投資有価証券などの資産があります。
だったら、
「この資産をもっと事業や株主価値向上に活かすことはできないのかな?」
という疑問です。
今回は、自分が実際に保有して株価下落を経験しているダイドーリミテッドについて、
「資産を持つ会社」と「資産から利益を生み出せる会社」の違い
という視点から、改めて考えてみたいと思います。
ダイドーリミテッド(3205)とはどんな会社?
まず改めて、ダイドーリミテッドがどのような会社なのかを確認します。
ダイドーリミテッドは、衣料事業と不動産賃貸事業などを展開している会社です。
衣料事業では「NEWYORKER(ニューヨーカー)」などのブランドを展開しています。
一方で不動産賃貸事業も行っており、神奈川県小田原市の商業施設「ダイナシティ」などがあります。
ここが、自分がこの会社を改めて調べてみたいと思った理由の一つです。
単純なアパレル企業ではありません。
衣料+不動産+保有資産
という複数の側面を持っています。
だからこそ、
「この資産をもっと活用できないのか?」
と思ってしまうのです。
株価が大きく下がると「買値」が頭から離れなくなる
株を保有していて難しいと思うのは、
購入価格が頭から離れなくなること
です。
例えば1,000円で買った株が700円になったとします。
すると、
「1,000円まで戻ってほしい」
と思います。
900円になれば、
「あと100円だ」
と思う。
反対に600円になれば、
「ここまで下がったら売れない」
と思う。
でも企業価値を考えるうえで、
自分がいくらで買ったかは会社には関係ありません。
会社の売上も変わらない。
利益も変わらない。
資産も変わらない。
経営者も、自分の買値を知りません。
それなのに投資家側は、
「自分の買値」
を基準に判断してしまいます。
これが株式投資の難しいところだと思います。
「元の株価まで戻るまで待つ」は正しいのか?
含み損になると、
「元の株価まで戻るまで持っておこう」
と考えたくなります。
自分もそうです。
でも最近、企業分析を勉強するようになって、一つ別の質問を自分にするようになりました。
それが、
「今この株を持っていなかったとして、現在の株価で新しく買いたいと思うか?」
という質問です。
これはかなり難しい。
もし答えがYESなら、
なぜ買いたいのか。
本業が改善するから?
資産価値があるから?
配当が期待できるから?
自社株買いが期待できるから?
経営改革が進むから?
何か理由があるはずです。
反対に、
「今なら買わない」
と思うのであれば、
なぜ自分は保有し続けているのか?
を考える必要があります。
「買値まで戻ってほしいから」
だけになっていないか。
ここは自分自身、よく考えなければならないと思っています。
ダイドーリミテッドには資産がある
今回、ダイドーリミテッドをもう一度調べようと思った大きな理由が、
保有資産
です。
会社の貸借対照表を見ると、
土地。
建物。
投資有価証券。
現金。
さまざまな資産があります。
ここで株初心者の自分は考えてしまいます。
「これだけ資産があるなら、その資産をもっと有効活用できないの?」
と。
資産を売却する。
事業へ再投資する。
株主へ還元する。
借入金を返済する。
新規事業へ投資する。
M&Aに使う。
いろいろな選択肢があるはずです。
でも、ここで大切なことに気づきました。
「資産を持っている会社」と「稼げる会社」は違う
これは今回のダイドーリミテッドへの投資から学んでいることの中で、かなり重要だと思っています。
資産がある=利益が出る
ではありません。
例えば土地を100億円分持っている会社があるとします。
土地そのものには価値があります。
でも、その土地から年間100万円しか利益を生み出せていなければ、
「もっと有効活用できないの?」
となります。
反対に、土地を10億円しか持っていなくても、その資産を活用して年間2億円の利益を生み出せる会社なら、資本効率は大きく違います。
つまり、
「いくら持っているか」だけでなく、「持っているものを使って、いくら稼げるか」
が重要なのだと思います。
資産株投資は思っていたより難しい
株式投資では、
「資産株」
という考え方があります。
会社が保有する現金、不動産、有価証券などに対して株価が割安なのではないか。
そういう視点から企業を探す投資です。
自分も、
「こんなに資産があるのに時価総額はこれだけ?」
という会社を見ると魅力を感じます。
でも最近は、
「資産があるだけではダメなのかもしれない」
と思うようになりました。
資産がある。
でも利益を生まない。
経営者が活用しない。
株主へ還元されない。
成長投資にも使われない。
そうなると、いつまでたっても市場から評価されない可能性があります。
「含み資産」が株価に反映されない理由を考える
例えば会社が価値の高い不動産を持っていたとします。
帳簿上の価格より現在の市場価値が高い。
すると、
「含み資産がある会社」
として注目されることがあります。
でも市場が、
「どうせ売らないだろう」
「利益に貢献しないだろう」
「株主に還元されないだろう」
と考えれば、その資産価値が株価へ完全に反映されないこともあり得ます。
だから、
「資産がある」だけではなく、「経営陣がその資産をどう使うのか」
を見る必要があるのだと思います。
ダイドーリミテッドの不動産事業をどう見るか
ダイドーリミテッドの企業研究で、今後特に見たいのが、
不動産賃貸事業
です。
代表的な資産の一つが、小田原市の商業施設「ダイナシティ」。
不動産を保有すれば賃料収入が期待できます。
これは一見すると魅力的です。
しかし投資家として考えるなら、
保有している不動産はいくらなのか。
年間いくら稼いでいるのか。
維持費はいくらなのか。
減価償却はどうなっているのか。
売却した場合はいくらになるのか。
売却した資金を何に使うのか。
ここまで見なければいけないのでしょう。
不動産を売ればいい、というほど簡単でもない
「資産を持っているなら売ればいい」
と思ってしまいます。
でも、これも簡単ではありません。
不動産を売却すれば、
一時的に大きな現金
を得られる可能性があります。
その現金で、
自社株買い。
配当。
借入返済。
成長投資。
M&A。
などができます。
しかし不動産を売れば、
将来得られたはずの賃料収入
がなくなる可能性があります。
つまり、
保有。
売却。
どちらが正しいとは簡単には言えません。
重要なのは、
「どちらが長期的な企業価値を高めるのか」
なのだと思います。
資産売却で利益が出ても「本業が強くなった」とは限らない
ここも注意したいところです。
例えば保有不動産を売って50億円の売却益が出たとします。
その年の最終利益は大きく増えるかもしれません。
すると、
「業績がすごく良くなった!」
と思ってしまいます。
でも不動産は毎年売れるわけではありません。
一回売ったら、その資産はなくなります。
だから、
一過性の利益と、本業で継続的に稼ぐ利益を分ける
必要があります。
最近、決算を見るときに少しずつ意識するようになりました。
やっぱり重要なのは「営業利益」
株の勉強を始めたころは、
最終利益
ばかり見ていました。
利益がプラス。
それなら良い。
そんな感覚です。
でも企業研究をするようになって、
営業利益
を見る重要性が少しずつ分かってきました。
会社が本業でどれくらい稼いでいるのか。
ダイドーリミテッドの場合なら、
衣料事業。
不動産賃貸事業。
それぞれがどの程度の利益を生み出しているのか。
ここを見る必要があります。
資産を売却して最終利益が増えても、本業が赤字のままなら根本的な問題は残ります。
「資産を売って配当」だけでは長続きしない
自分は配当金が欲しいです。
できれば、
少しでも生活の足しにしたい。
だから高配当株には魅力を感じます。
でも今回、改めて考えています。
もし配当の原資が、
本業の利益ではなく、
資産売却による一時的な利益だったら?
もちろん資産の最適化によって株主還元すること自体が悪いとは思いません。
ただ、
毎年資産を売り続けなければ配当できない会社
では困ります。
いつか売る資産がなくなります。
だから自分が欲しいのは、
単純な「高配当株」ではなく、
本業でキャッシュを稼ぎ、その一部を継続的に株主へ還元できる会社
なのだと思います。
「配当利回り○%」だけでは足りなかった
以前の自分なら、
配当利回り5%。
「すごい!」
と思っていました。
でも今は、
なぜ5%なのか?
を考えるようにしています。
配当が増えたから?
それとも株価が下がったから?
利益は伸びている?
配当性向は?
営業キャッシュフローは?
来年も同じ配当を出せる?
3年後も出せる?
こうして考えると、
配当利回りは企業分析のスタート地点にすぎない
ことが分かります。
ダイドーリミテッドで学びたい「資本効率」
今回の企業研究で、自分が新しく勉強したいテーマがあります。
それが、
資本効率
です。
ROE。
ROIC。
資本コスト。
PBR。
まだ完全には理解できていません。
でも簡単に考えると、
「株主や会社が持っている資本を使って、どれだけ効率よく利益を生み出しているのか」
を見る考え方なのだと思います。
会社が大量の資産を持っていても、そこからほとんど利益を生み出せていなければ資本効率は低くなります。
だから、
「資産が多いから良い会社」ではない。
このことを今回かなり意識するようになりました。
PBR1倍割れなら必ず割安なのか?
これも株を始めたころに勘違いしていました。
PBRが1倍以下。
つまり、
「会社の純資産より株式市場からの評価が低い」
と見ることができます。
すると、
「1倍以下なら割安だ!」
と思ってしまいます。
でも、なぜ1倍以下なのか。
市場が、
「この会社は資産を効率的に使えていない」
と評価している可能性もあります。
つまり低PBRには、
低PBRになる理由
があるかもしれません。
ここを調べる。
これも企業分析なのだと思います。
自社株買いは企業価値向上につながるのか
資本政策を考えるうえで気になるのが、
自社株買い
です。
もし会社の株価が企業価値に対して割安なのであれば、会社自身が自社株を買うことで、一株当たり価値の向上につながる可能性があります。
でも、
自社株買いをすれば何でも解決するわけではありません。
本業が赤字。
競争力が低下。
売上減少。
それなのに自社株買いだけを続ける。
これでは根本的な解決になりません。
だから、
本業改善+資本政策
の両方が必要なのだと思います。
ダイドーリミテッドに求めたいのは「資産を利益へ変える力」
自分が株主として一番見たいのは、ここです。
持っている資産を、どう企業価値へ変えるのか。
不動産を保有するなら、
しっかり賃料を稼ぐ。
売却するなら、
その資金をより高いリターンが期待できるところへ再投資する。
本業へ投資するなら、
利益を増やす。
自社株買いするなら、
一株当たり価値を高める。
配当するなら、
持続可能な形で株主へ還元する。
結局、
資産→キャッシュフロー→利益→企業価値
という流れが必要なのだと思います。
「資産を事業に活かせないのかな」という疑問
今回、自分が一番考えているのが、
「これだけ資産があるなら、もっと事業に活かせないのかな?」
ということです。
新しいブランド。
EC。
海外展開。
不動産再開発。
M&A。
新規事業。
既存ブランドへの投資。
株主還元。
選択肢はいろいろあるでしょう。
ただ、投資家として大切なのは、
「何かやってほしい」ではなく、「最も企業価値を高められる使い方をしてほしい」
ということなのかもしれません。
無理に新規事業を始めて失敗するくらいなら、資産売却と株主還元のほうがいい場合もある。
反対に成長機会があるなら、配当より事業投資を優先したほうがいい場合もある。
資本配分は、本当に難しいテーマです。
含み損になって初めて「経営」を見るようになった
皮肉ですが、
株価が上がっているときは、
「もっと上がれ!」
くらいしか考えていませんでした。
でも大きく下がると、
会社を真剣に調べます。
なぜ下がった?
業績は?
財務は?
資産は?
配当は?
経営戦略は?
株主還元は?
経営者は何を考えている?
今後どうする?
そう考えると、
含み損になって初めて、本当の企業研究を始めた
のかもしれません。
「取り返したい」という気持ちには注意する
株価が大きく下落すると、
「この株で取り返したい」
という気持ちが出てきます。
ナンピンしたくなる。
配当をもらいながら待ちたくなる。
でも、
「損した株で損を取り返さなければならない」
というルールはありません。
重要なのは、
今日から将来に向かって、一番合理的だと思う判断をすること。
これは自分への戒めとして書いておきます。
生活費を株式投資に頼りすぎない
そして、今回一番重要なことです。
自分は投資から少しでも収入を得たいと思っています。
配当金。
値上がり益。
少しずつ生活の足しになればありがたい。
でも今回のように、
必要なときに株価が下がる
ことがあります。
だから、
家賃。
食費。
光熱費。
税金。
保険料。
急な出費に備えるお金。
こうした生活に必要なお金まで、株価上昇を前提にしてはいけない。
これは今回改めて感じています。
株から収入を得たい。
でも、
生活を株価に人質に取られない。
ここは大切にしたいと思います。
ダイドーリミテッドを今後どう追いかけるか
今回、ただ含み損を眺めているだけでは意味がありません。
そこで今後、決算ごとに確認する項目を決めます。
① 衣料事業の売上・利益
本業の収益力が改善しているか。
② 不動産賃貸事業
安定的にキャッシュを生み出せているか。
③ 営業利益
一過性利益ではなく、本業が黒字化できるか。
④ 営業キャッシュフロー
本当に現金を生み出しているか。
⑤ 保有不動産・投資有価証券
売却するのか、保有するのか、どう活用するのか。
⑥ 株主還元
配当、自社株買いなどが持続可能なのか。
⑦ 経営改革
会社が掲げる構造改革によって、本当に収益力が改善するのか。
「売る・持つ」より先に投資理由を書き直す
すぐに、
売る。
持つ。
買い増す。
という答えを出すのではなく、
まず自分の投資理由を書き直してみようと思います。
なぜダイドーリミテッドを保有するのか。
どこが改善したら成功なのか。
何が悪化したら投資判断を見直すのか。
これを書いてみる。
例えば、
「衣料事業の赤字改善」
「不動産収益の安定」
「資産の効率的活用」
「株主還元の持続可能性」
「営業キャッシュフロー改善」
などです。
そして半年後、決算が出たら確認する。
株価ではなく、投資理由が改善しているかを見る。
これをやってみたいと思います。
ダイドーリミテッドを「資産株研究」の教材にする
以前なら、
株価が下がった。
失敗した。
終わり。
だったかもしれません。
でも今回は、
この失敗から勉強する。
ダイドーリミテッドを、
「資産株とは何か?」
を学ぶ教材にしてみます。
不動産。
有価証券。
PBR。
ROE。
資本効率。
自社株買い。
配当。
営業キャッシュフロー。
資産売却。
事業再編。
これらを一社で追いかける。
これはかなり勉強になると思います。
まとめ|「資産がある会社」と「資産で稼げる会社」は違う
ダイドーリミテッドを購入しました。
しかし株価は大きく下落しました。
収入の足しにしたかった。
でも、思うようにはいきません。
困りました。
それでも、今回の経験から一つ大きなテーマが見つかりました。
それが、
「資産がある会社」と「資産を活かして稼げる会社」は違う
ということです。
土地がある。
建物がある。
投資有価証券がある。
現金がある。
それだけでは株主価値は高まりません。
大切なのは、
その資産を使って、どれだけ継続的に利益とキャッシュを生み出せるのか。
そして、
生み出したキャッシュを、
成長投資。
配当。
自社株買い。
借入返済。
M&A。
どこへ配分するのか。
これが経営なのだと思います。
自分はまだまだ株の知識がありません。
だから、
株価が下がったという結果だけを見るのではなく、なぜ自分の投資判断がうまくいかなかったのかを勉強する。
ダイドーリミテッドが今後どうなるかは分かりません。
本業が改善するかもしれない。
資産活用が進むかもしれない。
逆に思うような成果が出ない可能性もあります。
だから、期待だけで持たない。
決算を見る。
営業利益を見る。
キャッシュフローを見る。
資産を見る。
株主還元を見る。
そして経営者が、
「会社の持っている資産を、どう企業価値へ変えようとしているのか」
を見る。
株価が下がったことは残念です。
でも、この経験から資産株の見方を覚えることができれば、次の企業を見る目は少し変わるかもしれません。
株で生活を少し楽にしたいと思って始めた投資。
まだ、その目標には遠いです。
それでも焦って損失を取り返そうとはせず、
「良い会社を、良い価格で買うための知識」を身につける。
今はそれを優先します。
ダイドーリミテッドへの投資が成功だったのか、失敗だったのか。
答えはまだ分かりません。
でも一つだけ、今回覚えておきたいことがあります。
資産の大きさを見るだけでは足りない。
その資産が、どれだけ利益を生み出しているかを見る。
そして、
資産を持っている会社ではなく、資産を活かせる会社を探す。
今回の含み損を、次の投資につながる勉強代にできるように。
ダイドーリミテッドのこれからを、決算とともに追いかけてみようと思います。
※本記事は筆者個人の投資経験および企業研究を記録したものであり、ダイドーリミテッド(3205)その他の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。株価、配当、業績、資産価値等は変動します。実際の投資判断では最新の決算短信、適時開示、有価証券報告書等をご確認ください。

