
売上ゼロだった一人社長の私が、今でも「あの時はもったいなかった」と思う出来事
起業したばかりの頃の私は、とにかく毎日が不安でした。
会社を設立したものの、売上はほぼゼロ。
「本当にこのまま事業を続けていけるのだろうか。」
そんなことばかり考えていました。
周りから見れば「社長」かもしれませんが、実際は売上も利益もなく、未来も見えない状態でした。
それでも、「自分で会社をつくった」という気持ちだけは強く持っていました。
だからこそ、その肩書きを必要以上に大切にしていたのかもしれません。
そんな時、一つのご縁がありました。
ある大学から、
「事務の仕事をお願いできませんか。」
というお話をいただいたのです。
思いがけない大学からの声掛け
大学から声を掛けていただいた時は、本当にうれしかったことを今でも覚えています。
「自分を必要としてくれる場所がある。」
そう思えただけでも、大きな励みになりました。
しかし、一つだけ問題がありました。
私は会社の代表取締役だったのです。
大学側としては、その立場では雇用が難しいとのことでした。
ところが、そこで終わりではありませんでした。
担当の方は、
「それでしたら、時間制限付きのアルバイトという形で来ていただけませんか。」
と、私のために考えてくださったのです。
今思えば、本当にありがたい提案でした。
当時の私は、その価値に気付けなかった
しかし、その時の私は迷いました。
いや、正直に言えば、自分の中で答えはほぼ決まっていました。
「社長なのにアルバイト?」
そんな思いが頭から離れなかったのです。
収入が必要だったにもかかわらず、「代表取締役」という肩書きを手放したくなかった。
今思えば、誰かに笑われるようなことでもありません。
それなのに、自分の中で勝手に壁をつくってしまっていました。
結局、そのお話はお断りすることになりました。
今振り返ると、本当にもったいなかった
人生には「もしも」はありません。
だから、「あの時こうしていれば…」と考えても答えは出ません。
それでも、あの出来事だけは時々思い出します。
もし大学で働いていたら、
毎月少しでも安定した収入があったかもしれない。
大学という環境で、多くの先生や職員、学生との出会いがあったかもしれない。
新しい価値観や知識を学ぶこともできたかもしれない。
そして、その経験が今の仕事につながっていた可能性もあります。
仕事というものは、収入だけではありません。
人との出会い、経験、信頼。
そのすべてが次の仕事につながることがあります。
当時の私は、その一番大切な部分を見落としていました。
肩書きよりも経験のほうが価値がある
起業すると、「社長」という肩書きに誇りを持つことは決して悪いことではありません。
私も会社を設立した時は、本当にうれしかったです。
しかし、時間が経って分かったことがあります。
肩書きは、自分の人生を豊かにはしてくれません。
人生を豊かにしてくれるのは、経験です。
アルバイトでも、パートでも、契約社員でも、業務委託でもいい。
そこに新しい学びや出会いがあるなら、それは決して遠回りではありません。
むしろ、その経験が将来の自分を助けてくれることがあります。
今の私は、そう考えています。
売上ゼロの時期だからこそ、選択肢を狭めてはいけない
起業したばかりの頃は、「これしかない」と思い込んでしまうことがあります。
私もそうでした。
会社を成功させることだけを考え、それ以外の選択肢を自分で閉ざしていました。
でも、本当は違います。
働き方はいくらでもあります。
副業でもいい。
アルバイトでもいい。
業務委託でもいい。
生活を支えながら、自分の夢を追いかけることは、決して格好悪いことではありません。
むしろ、その柔軟さが長く挑戦を続けるためには必要なのだと思います。
この経験があったから今の自分がいる
もちろん、私は過去を後悔しているわけではありません。
あの時の選択があったからこそ、今の自分があります。
しかし、「もったいなかったな」と感じることはあります。
あの経験があるから、今は目の前に来たチャンスを以前より大切にできるようになりました。
どんな仕事でも、「この経験から何を得られるだろう」と考えるようになったのです。
これは、あの大学からのオファーが教えてくれた、大切な学びでした。
最後に
もし今、このブログを読んでいる方の中に、起業したばかりで悩んでいる人がいるなら、お伝えしたいことがあります。
目の前にある仕事を、「肩書き」や「プライド」だけで判断しないでください。
その仕事から何を学べるのか。
どんな人と出会えるのか。
将来につながる可能性はあるのか。
そこまで考えてみると、見える景色は変わってきます。
私がいただいた大学からのお話は、今でも忘れられない出来事です。
あの時は、その価値に気付くことができませんでした。
だからこそ今は、一つひとつのご縁を大切にしたいと思っています。
人生は、成功だけでできているわけではありません。
「あの時はもったいなかった」と思える経験も、振り返れば自分を成長させてくれる大切な財産です。
もしこの体験が、誰かの選択のヒントになれば、これほど嬉しいことはありません。

