
電子書籍が売れない。MBAまで取った私が「売る難しさ」を痛感した話
- 技術士とMBAがあれば、何かできると思っていた
- 「技術士×MBA」で何を売ればいいのか分からない
- 資格があることと、商品があることは違う
- MBAで学んだことと、実際の経営は違った
- Amazonで電子書籍も出版してみた
- しかし、本は全く売れなかった
- 「本を書けば売れる」わけではなかった
- 技術士、MBA、電子書籍。それでも収入にはならない
- では、これまで勉強したことは無駄だったのか
- 「資格を売る」という発想をやめてみる
- 大学講師「キャリア論」への応募で気付いたこと
- 60代になって、キャリアをもう一度作り直す
- 起業アイデアが出ないなら、一度離れてもいい
- 電子書籍も「失敗」で終わらせたくない
- これからは「資格の掛け算」より「経験の掛け算」
- 成功談だけではなく、うまくいかなかったことも書いていく
- まとめ|技術士とMBAがあっても人生は簡単ではない
技術士とMBAがあれば、何かできると思っていた
私は技術士の資格を持っています。
そして、働きながらMBAも取得しました。
平日の夜や土日を使って勉強したMBA。
決して簡単ではありませんでした。
仕事をしながら大学へ通い、講義を受け、課題をこなし、仲間と議論する。
かなり苦しかった記憶があります。
それでもMBAを取得したときには、
「これまでの技術者としての経験とMBAを組み合わせれば、何か新しいことができるのではないか」
と思っていました。
技術士という専門性。
MBAという経営の知識。
この二つがあれば、起業にも役立つはずだ。
そう考えていました。
ところが、実際に会社を作ってみると、そんなに簡単ではありませんでした。
「技術士×MBA」で何を売ればいいのか分からない
技術士とMBA。
文字だけを見ると、起業との相性は良さそうに見えます。
技術が分かる。
経営も勉強した。
だったら、その二つを組み合わせてビジネスを作ればいい。
理屈ではそうなります。
しかし、実際に考えてみると、
「では、何を売るのか?」
というところで止まってしまいます。
コンサルティングなのか。
技術支援なのか。
経営支援なのか。
教育なのか。
研修なのか。
情報発信なのか。
いろいろ考えました。
しかし、
「これなら顧客がお金を払ってくれる」
というところまで落とし込めませんでした。
資格があることと、商品があることは違う
起業して初めて強く感じたことがあります。
それは、
資格と商品はまったく別のものだ
ということです。
技術士は専門能力を証明してくれます。
MBAでは経営について体系的に学べます。
しかし、
技術士だから顧客が来るわけではありません。
MBAだから商品が売れるわけでもありません。
資格があっても、
「誰の、どんな問題を、どのように解決するのか」
が明確になっていなければ、ビジネスにはならない。
頭では理解していたつもりでした。
しかし、自分で会社を経営してみて、その意味がようやく分かったような気がします。
MBAで学んだことと、実際の経営は違った
MBAでは、経営戦略、マーケティング、財務、組織など、さまざまなことを学びました。
企業事例について議論することもありました。
「この会社ならどうするべきか」
仲間と意見を出し合い、分析する。
あの時間は非常に刺激的でした。
ところが、自分の会社になると話が違います。
市場分析以前に、
「そもそも何を売るのか」
というところで苦しみます。
さらに、
「この商品を買ってくれる人はどこにいるのか」
「どうやって最初の顧客を見つけるのか」
「いくらなら買ってもらえるのか」
という問題が出てきます。
経営理論を知っていることと、ゼロから売上を作ることは違います。
これは実際に起業してみなければ分からなかったことでした。
Amazonで電子書籍も出版してみた
新しいことにも挑戦しました。
その一つが電子書籍です。
Amazonで電子書籍を出版しました。
自分で本を書く。
電子書籍としてまとめる。
Amazonに登録する。
出版する。
ここまではできました。
本がAmazonに並んだときには、少し期待もありました。
「誰かが読んでくれるかもしれない」
「少しずつ売れるかもしれない」
「電子書籍が新しい収入源になるかもしれない」
そんなことも考えました。
しかし、本は全く売れなかった
現実は厳しいものでした。
本が全く売れません。
出版したからといって、自動的に読者が見つけてくれるわけではありません。
考えてみれば当然です。
Amazonには膨大な数の本があります。
その中から、無名の個人が出版した本を見つけてもらう。
さらに、興味を持ってもらう。
そして、お金を払って購入してもらう。
これは簡単なことではありません。
出版することと、売ることは別なのだと実感しました。
「本を書けば売れる」わけではなかった
電子書籍についても、起業と同じ構造なのかもしれません。
本を書く能力。
出版する能力。
そして、本を売る能力。
これはそれぞれ別です。
どれだけ時間をかけて書いたとしても、
「誰が読むのか」
「その人は何を知りたいのか」
「なぜ他の本ではなく、この本なのか」
が伝わらなければ売れません。
タイトル。
表紙。
テーマ。
Amazonの商品説明。
検索キーワード。
ブログやSNSからの導線。
こうしたことまで含めて「出版」なのだと思います。
本を完成させた時点では、まだスタート地点だったのかもしれません。
技術士、MBA、電子書籍。それでも収入にはならない
改めて並べてみると、不思議な気持ちになります。
技術士。
MBA。
会社設立。
電子書籍出版。
一つひとつを見ると、それなりに時間と労力をかけてきました。
しかし、
それがそのまま収入につながるわけではありませんでした。
これが今の現実です。
「これだけやったのだから、何か結果が出てもいいのではないか」
と思うこともあります。
しかし、ビジネスの世界では努力した時間に対して報酬が支払われるわけではありません。
顧客に価値を感じてもらい、購入してもらって初めて売上になります。
厳しいですが、これが現実なのだと思います。
では、これまで勉強したことは無駄だったのか
ここで一つ疑問が出てきます。
技術士を取得したこと。
MBAを取得したこと。
本を書いたこと。
会社を作ったこと。
これらは全部、無駄だったのでしょうか。
今の時点では、そうとも言い切れません。
直接的な売上にはなっていなくても、それぞれの経験は残っています。
技術士を取得する過程で培った専門性。
MBAで学んだ経営知識。
電子書籍を書き上げた経験。
会社を作った経験。
そして、
ビジネスが思いどおりにならなかった経験。
成功した経験だけに価値があるわけではないと思いたいのです。
「資格を売る」という発想をやめてみる
これまで私は、
「技術士とMBAをどう組み合わせればビジネスになるのか」
と考えてきました。
しかし、この考え方自体を一度やめてもいいのかもしれません。
資格からビジネスを考えるのではなく、
「自分の経験を必要としている人は誰なのか」
から考える。
この順番の方が自然なのかもしれません。
たとえば、これから資格取得を目指す技術者。
管理職になったばかりの技術者。
社会人大学院やMBAを検討している人。
50代・60代でセカンドキャリアを考えている人。
独立や起業を考えている技術者。
こうした人たちに対してなら、自分自身の経験から伝えられることがあります。
大学講師「キャリア論」への応募で気付いたこと
最近、大学講師の仕事にも応募しました。
担当科目は「キャリア論」です。
一次選考については「保留」という連絡を受けました。
採用されるかどうかは、まだ分かりません。
しかし、この応募を通じて一つ気付いたことがあります。
自分の経験は、
「商品」にしようとすると難しくても、「人に伝える経験」として考えれば価値があるのかもしれない。
技術者として働いてきたこと。
資格取得に挑戦したこと。
働きながらMBAを取得したこと。
会社を設立したこと。
事業が思うように進まなかったこと。
本を出版したこと。
そして今、もう一度キャリアを考えていること。
キャリア論という科目なら、これらはすべて教材になり得ます。
60代になって、キャリアをもう一度作り直す
若い頃は、
「経験を積めば将来は楽になる」
と漠然と思っていました。
しかし、60代になっても悩みはなくなりません。
むしろ、
「これからどう生きるのか」
という問題は大きくなりました。
これまで積み重ねた経験をどう使うのか。
収入をどう確保するのか。
社会とのつながりをどう維持するのか。
仕事をどうするのか。
簡単な答えはありません。
だから今、私は自分自身のキャリアをもう一度作り直している途中なのだと思います。
起業アイデアが出ないなら、一度離れてもいい
最近は、新しいビジネスプランを考えても良いアイデアが出てきません。
以前なら、
「もっと考えなければ」
と思っていました。
しかし今は、
一度ビジネスから離れてみてもいい
と考えています。
焦って事業を始めても、良い結果になるとは限りません。
頭の中が「どうやって稼ぐか」だけになってしまうと、かえって視野が狭くなることもあります。
少し距離を置く。
人と話す。
本を読む。
ブログを書く。
違う仕事を経験する。
そうした時間の中から、次のアイデアが生まれるかもしれません。
電子書籍も「失敗」で終わらせたくない
Amazonで出版した電子書籍も、今のところ売れていません。
しかし、これもすぐに失敗と決める必要はないと思っています。
なぜ売れないのか。
タイトルなのか。
表紙なのか。
テーマなのか。
検索されていないのか。
そもそも読者が求めていないテーマなのか。
ブログから電子書籍へ読者を誘導できないか。
一つずつ検証することはできます。
少なくとも、
「電子書籍を一冊完成させ、Amazonで出版した」
という経験は残りました。
次に出す本があるなら、今回の失敗を活かせます。
これからは「資格の掛け算」より「経験の掛け算」
以前の私は、
技術士 × MBA = 起業
というイメージをどこかで持っていました。
しかし、実際にはそんな単純な方程式ではありませんでした。
これから考えたいのは、
技術 × 経営 × 教育 × キャリア × 実体験
です。
資格の名前を組み合わせるのではなく、自分が経験してきたことを組み合わせる。
その中から、自分だから提供できる価値を探してみたいと思います。
成功談だけではなく、うまくいかなかったことも書いていく
世の中には成功談がたくさんあります。
「資格を取って独立しました」
「MBA取得後に起業しました」
「電子書籍を出版して毎月収益が入っています」
もちろん、そういう人もいるでしょう。
しかし、全員がそうなるわけではありません。
私のように、
技術士を持っていても、
MBAを取得しても、
会社を作っても、
本を出版しても、
なかなか収入につながらない人間もいます。
だから、このブログでは成功するまでの途中も書いていこうと思います。
うまくいったことだけではなく、うまくいかなかったことも書く。
それが、同じように悩んでいる誰かの参考になるかもしれません。
まとめ|技術士とMBAがあっても人生は簡単ではない
技術士を取得しました。
働きながらMBAも取得しました。
会社も設立しました。
Amazonで電子書籍も出版しました。
それでも、ビジネスは簡単には生まれませんでした。
本も思うようには売れていません。
正直、難しいです。
しかし、ここまでやってきた経験まで消えるわけではありません。
技術士。
MBA。
起業。
電子出版。
そして失敗。
もしかすると、最後の「失敗」まで含めて、これからの自分の価値になるのかもしれません。
今は無理に次のビジネスプランを作ろうとは思いません。
少しビジネスから離れながら、生活を立て直し、自分が本当にできることをもう一度考えてみます。
60代。
まだ答えは見つかっていません。
でも、だからこそ、このブログにその過程を残していきます。
いつか振り返ったとき、
「技術士とMBAがあるのに何をすればいいのか分からなかった、あの時期が次のキャリアの始まりだった」
そう書ける日が来ればいいと思っています。

