
米国のディベースメントで株価は下がる?インフレ・現金・日本株のリスクを考える
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最近、少しずつ株を買っています。
大きなお金があるわけではありません。
むしろ自分にとっては、
なけなしのお金です。
それでも、このまま何もしなければ生活が楽になるわけでもない。
給料以外の収入源も作りたい。
配当金を少しでも受け取りたい。
将来への不安を少しでも減らしたい。
そんな気持ちから、株式投資を勉強しています。
最近ではNISAの成長投資枠を使って、NTT(9432)を100株買いました。
2万円弱です。
年間配当は会社予想どおりなら540円。
小さな金額ですが、
「まずは年間540円から配当収入を作ってみよう」
と思って始めました。
ところが株について勉強すればするほど、今度は別の不安が出てきます。
最近、自分が気になっているのが、
米国のディベースメント(Debasement)
です。
アメリカの財政赤字。
政府債務。
インフレ。
ドルの価値。
金利。
金価格。
そして株価。
いろいろ調べていると、
「もしかすると株価が大きく下落するリスクもあるのでは?」
と考えるようになりました。
株を買わなければ資産が増えない気がする。
でも株を買ったら暴落が怖い。
現金を持っていてもインフレで価値が減るかもしれない。
では、一体どうすればいいのか。
今回は投資初心者の自分なりに、
「米国のディベースメントを考えたとき、株・現金・資産をどう考えればいいのか」
について整理してみたいと思います。
そもそもディベースメントとは何なのか?
最近投資関係の記事などで、
「Debasement Trade(ディベースメント・トレード)」
という言葉を目にすることがあります。
Debasementには、
「価値を低下させる」
といった意味があります。
投資の世界では、政府債務の増加や財政赤字、通貨供給などを背景として、
「法定通貨の実質的な購買力が長期的に低下するのではないか」
という考え方と結び付けて語られることがあります。
簡単に考えるなら、
昔100円で買えたものが、
150円。
200円。
となっていく。
お金の数字は100円のままでも、
100円で買えるものが減ってしまう。
これもお金の実質的な価値が下がるということです。
現金を持っているだけでもリスクがある?
以前の自分は、
「株は危険、現金は安全」
と考えていました。
確かに100万円を現金で持っていれば、明日突然50万円になることは通常ありません。
株ならあり得ます。
だから現金は安心です。
でもインフレという視点を入れると、少し違って見えてきます。
例えば100万円を持っている。
10年後も通帳には100万円と書いてある。
しかし、その間に物価が大きく上昇したら?
100万円で買えるものは減ります。
つまり、
金額は減っていなくても購買力が減る
可能性があります。
これを知ってから、
「現金だけ持っていれば絶対安全」
とも言えないのだと考えるようになりました。
だから株を買えば安心なのか?
では、
「インフレが怖いなら株を買えばいい」
のでしょうか。
これもそんなに簡単ではありません。
企業は商品やサービスを販売しています。
物価が上昇すれば、販売価格を引き上げることができる企業もあります。
売上が増える。
利益が増える。
企業価値が上がる。
長期的には株式がインフレへの一定の耐性を持つ可能性があります。
しかし問題があります。
インフレが強くなりすぎると、
金利が上昇する可能性
があります。
金利が上昇すると株式市場には逆風になる場合があります。
つまり、
通貨価値低下→株価上昇
という単純な話ではありません。
ディベースメントなら株が上がる?下がる?
ここが自分には一番難しいところでした。
通貨の価値が下がる。
だったら株や不動産などの実物資産的なものが上がるのでは?
と思います。
実際、そういう方向へ動くこともあるでしょう。
でも同時に、
インフレ。
金利上昇。
景気悪化。
企業コスト上昇。
消費低迷。
金融市場の混乱。
こうしたことが起きれば、株価が下落する可能性もあります。
だから、
「ディベースメントが起きるから株は下がる」
とも、
「ディベースメントなら株は上がる」
とも簡単には言えない。
結局は、
その会社がインフレや金利上昇の環境でも利益を生み出せるか
を見る必要があるのだと思います。
株価下落より怖いのは「安値で売らなければならないこと」
今回考えていて、自分の中で一つ大きな気づきがありました。
株価が20%下落する。
これは怖いです。
でも、本当に怖いのは、
株価が20%下落したときに生活費が必要になり、売らなければならなくなること
ではないでしょうか。
例えば100万円を全部株に入れたとします。
相場が暴落して80万円になった。
でも生活費として30万円必要になった。
仕方なく売る。
これでは、
安値で売却せざるを得ません。
反対に生活費として別に現金があれば、
「今は売らない」
という選択ができます。
ここで初めて、
生活防衛資金
の意味が分かってきました。
「なけなしのお金」という言葉を自分でも重く受け止める
自分自身、
「なけなしのお金で投資している」
と思っています。
でも、この言葉はかなり重要です。
もし本当に、
来月の家賃。
食費。
光熱費。
税金。
保険。
医療費。
急な修理代。
こうしたものに必要なお金まで株に入れているのであれば、
相場予想以前の問題かもしれません。
株が上がればいい。
でも下がったら?
生活できなくなる。
それでは投資ではなく、
生活そのものを相場に賭けてしまう
ことになります。
「株を買わないリスク」と「株を買うリスク」
投資を勉強していると、この二つの間で悩みます。
株を買わなければ、
インフレで現金の実質価値が減るかもしれない。
資産形成が進まないかもしれない。
配当も得られない。
一方で株を買えば、
暴落するかもしれない。
企業が減配するかもしれない。
業績が悪化するかもしれない。
元本割れするかもしれない。
つまり、
どちらにもリスクがあります。
だったら、
「どちらが絶対正しいか」
を探すのではなく、
両方持つ
という考え方もある。
最近、自分はここを大切にしたいと思うようになりました。
現金100%か株100%かではなく「資産配分」を考える
以前の自分は、
「次はどの株を買おう?」
ばかり考えていました。
でも本当は、その前に考えることがあります。
資産配分です。
現金。
日本株。
海外株。
債券。
金など。
何をどの程度持つのか。
もちろん正解は人によって違います。
年齢。
収入。
家族。
毎月の生活費。
住宅。
借金。
投資経験。
どの程度の下落に耐えられるか。
全部違うからです。
だから、
「おすすめ銘柄を探す前に、自分がどこまで損失に耐えられるのかを知る」
ことが重要なのだと思います。
NTT100株も「暴落したらどうする?」を考えて買う
先日、自分はNISA成長投資枠でNTTを100株購入しました。
2万円弱。
配当利回りは取得価格ベースでおおむね3%程度を期待しています。
でも、
NTTだから安全
とは考えないようにします。
例えば2万円が、
1万8,000円。
1万6,000円。
1万4,000円。
となったらどうするか。
それでも生活できるか。
保有を続けられるか。
企業の利益や配当方針が変わっていなければ持てるか。
ここを考える。
自分の場合、
「20%下がっても生活に影響しない金額なのか?」
という質問は、かなり重要だと思っています。
配当3%でも株価が20%下落する可能性はある
配当株投資で勘違いしたくないことがあります。
配当利回り3%だから、
年間3%ずつ儲かる。
そういう意味ではありません。
例えば2万円投資して、
年間600円程度の配当を受け取ったとしても、
株価が20%下落すれば、
評価額は約4,000円減ります。
配当600円。
含み損4,000円。
短期的には株価下落のほうが圧倒的に大きい。
だから、
配当があるから安心
ではありません。
配当を受け取りながら長期保有するためにも、
株価下落に耐えられる資金管理
が必要なのだと思います。
ディベースメントを考えるなら「価格転嫁力」を見る
ここから企業分析につなげてみます。
もしインフレが続くと考えるなら、
自分がこれから企業を見るときに確認したいのが、
価格転嫁力
です。
原材料費が10%上がった。
人件費が上がった。
電気代が上がった。
物流費が上がった。
そのとき、
商品価格を上げられる会社なのか。
値上げしても顧客が離れない会社なのか。
ここはかなり重要です。
ブランド力がある会社はインフレに強いのか?
例えば100円の商品を110円に値上げしたとします。
消費者が、
「高くなったからもう買わない」
となれば厳しい。
でも、
「高くなってもこの商品がいい」
と思ってもらえる会社なら、価格転嫁できます。
つまり、
ブランド。
技術。
シェア。
必要不可欠なサービス。
乗り換えにくさ。
こうしたものが、
インフレ耐性
につながる可能性があります。
これまでPERや配当利回りばかり見ていましたが、
これからは、
「この会社は値上げできる会社なのか?」
も見てみたいと思います。
通信インフラのNTTをどう見るか
NTTについても同じです。
通信は現代社会に欠かせません。
スマートフォン。
インターネット。
企業ネットワーク。
データセンター。
クラウド。
AI。
通信需要そのものが突然ゼロになるとは考えにくい。
その意味では生活インフラとしての強みがあります。
しかし、
通信料金を自由にどんどん値上げできるわけではありません。
競争があります。
政策の影響もあります。
設備投資も巨額です。
だから、
「インフラ企業だからインフレに強い」
と決めつけず、利益・キャッシュフロー・設備投資・料金動向を見る必要があります。
借金が多い会社は金利上昇に耐えられるか
ディベースメントやインフレを考えると、
金利
も重要です。
金利が上昇すれば、
借入金の多い企業は支払利息が増える可能性があります。
だから今後は、
有利子負債。
営業キャッシュフロー。
利息負担。
固定金利と変動金利。
こうしたところも少しずつ見たいと思います。
配当利回り5%だけを見るのではなく、
「金利が上がっても、この配当を維持できるのか?」
と考える。
これも企業分析です。
円高・円安も日本株には大きな問題
そして自分は日本株を買っているので、
為替
も無視できません。
円安になれば、
海外で稼ぐ企業に追い風になることがあります。
一方、輸入原材料を大量に使う企業にはコスト増になる可能性があります。
円高なら逆です。
だから、
「円高=悪」
「円安=良」
という単純な話ではありません。
会社によって違います。
これから企業を調べるときは、
「この会社は円高と円安、どちらに強いのか?」
という項目も追加したいと思います。
米国株だけの問題ではない
「米国のディベースメント」と聞くと、
アメリカの問題だから日本株には関係ないように思えます。
でも世界の金融市場はつながっています。
米国金利。
ドル円。
米国株。
日本株。
外国人投資家。
原油。
金。
債券。
すべて影響し合います。
米国市場が大きく動けば、日本株も影響を受ける可能性があります。
だから、
日本株しか持っていないから米国経済を見なくていい
というわけではないのだと思います。
金(ゴールド)が気になる理由
ディベースメントについて調べると、
金(ゴールド)
がよく出てきます。
金そのものは配当を生みません。
企業のように利益を増やすわけでもありません。
でも法定通貨とは違う性質を持つ資産として、通貨価値への不安が強い局面で注目されることがあります。
だから、
現金。
株。
金。
それぞれ役割が違う。
ここを勉強してみたいと思っています。
「金が上がっているから買う」
ではなく、
「自分の資産全体の中で、金に何を期待するのか」
を考える。
これが資産配分なのだと思います。
暴落を予想することより「暴落しても大丈夫」にする
ここまで考えて、一つの結論にたどり着きました。
自分には、
次の暴落がいつ来るか分かりません。
米国株が暴落するのか。
日本株が下がるのか。
円高になるのか。
円安になるのか。
金利が上がるのか。
下がるのか。
分かりません。
だったら、
「暴落を当てる」ことを目標にしない。
それより、
「暴落しても生活できる状態を作る」
ほうが重要です。
自分なりの投資ルールを作ってみる
今回の不安をきっかけに、自分なりのルールを作ってみようと思います。
① 生活費を株に入れない
生活に必要なお金は確保する。
② 一度に全部買わない
投資したい金額があっても、分けて買う。
③ 株価下落時の行動を買う前に考える
20%下落したらどうするのか。
④ 配当利回りだけで買わない
利益、キャッシュフロー、財務を見る。
⑤ インフレ耐性を見る
価格転嫁力やブランド力を考える。
⑥ 円高・円安の影響を見る
海外売上比率や輸入コストを見る。
⑦ 現金も資産だと考える
「投資していない現金=無駄」と考えない。
この7つを意識してみます。
「現金を持つこと」は負けではない
株価が上がっていると、
現金を持っていることが損のように感じます。
「あの株を買っておけばよかった」
「全部投資しておけばもっと増えた」
そう思います。
でも暴落すると、
現金のありがたさ
が分かります。
生活費になる。
安値で株を買える。
株を売らずに済む。
精神的な余裕にもなる。
つまり現金には、
利回りでは測れない価値
があります。
株価が上がり続ける前提を捨てる
これからは、
「株は長期的に上がるから大丈夫」
だけで投資しないようにしたいと思います。
長期的に成長する可能性は期待する。
でも、
途中で30%下がるかもしれない。
40%下がるかもしれない。
数年間低迷するかもしれない。
そういう可能性も考える。
そして、
それでも持てる金額だけ投資する。
これが大切なのだと思います。
「なけなしのお金」だからこそ一発逆転を狙わない
お金が少ないと、
「早く増やしたい」
と思います。
10万円を11万円にするより、
10万円を20万円にしたい。
そう考えてしまいます。
でも大きなリターンを狙えば、大きなリスクを取ることになります。
なけなしのお金だからこそ、
一発逆転を狙わない。
これは自分への戒めです。
NTT100株。
年間配当540円。
小さい。
でもいい。
少しずつでいい。
配当金生活より先に「生活を守れる投資家」になる
自分は配当金生活に憧れています。
株から毎月お金が入る。
生活費の一部を配当で払う。
そんな状態になればいいなと思っています。
でも、その前に必要なのは、
生活を守れる投資家になること
なのかもしれません。
暴落しても生活費がある。
株を売らなくてもいい。
配当が減っても生活できる。
そういう状態を作る。
そのうえで、
少しずつ配当収入を増やしていく。
この順番を間違えないようにしたいと思います。
これから企業を見るときのチェックポイント
今回のディベースメントへの不安を、企業研究に活かします。
これから株を買うときは、
売上・営業利益は伸びているか。
営業キャッシュフローは安定しているか。
価格転嫁力はあるか。
ブランド力はあるか。
借金は多すぎないか。
金利上昇に耐えられるか。
円高・円安のどちらに影響されるか。
配当は利益で賄えているか。
自社株買いは無理をしていないか。
現在の株価は高すぎないか。
こうしたところを見る。
「高配当だから買う」
「有名企業だから買う」
から、
「環境が変わっても稼ぎ続けられる会社なのか?」
を見る投資へ。
少しずつ変えていきたいと思います。
まとめ|株価下落を恐れるより「下がっても生き残れる投資」をする
なけなしのお金で株式投資をしています。
少しでも資産を増やしたい。
配当金を受け取りたい。
生活の足しにしたい。
その思いは今も変わりません。
でも米国の財政、インフレ、ディベースメントについて考えるようになって、
「株を持っていれば安心」ではない
ことも改めて感じています。
かといって、
「現金だけなら安心」
でもありません。
現金にはインフレによる購買力低下があります。
株には価格変動があります。
債券には金利リスクがあります。
金にも価格変動があり、配当もありません。
結局、
完璧に安全な場所はない。
だからこそ、
一つに賭けない。
生活費を投資しない。
現金を残す。
少しずつ買う。
企業を調べる。
配当だけで判断しない。
そして、
暴落しても退場しない。
これを大切にしたいと思います。
米国のディベースメントが本当にどのような形で進むのか。
株価が上がるのか。
下がるのか。
ドルはどうなるのか。
自分には分かりません。
でも一つだけ、自分でコントロールできるものがあります。
自分がどれだけリスクを取るか。
ここです。
相場はコントロールできない。
株価もコントロールできない。
金利も為替もコントロールできない。
でも、
生活費を残す。
投資金額を抑える。
分散する。
企業を調べる。
焦って買わない。
これは自分でできます。
なけなしのお金だからこそ、
一発逆転ではなく、
生き残る投資をする。
年間540円の配当でもいい。
小さな一歩でもいい。
焦らず、少しずつ資産を育てる。
そしていつか、
株価が下がったときに、
「困った」
ではなく、
「想定していた。だから大丈夫。」
と言える投資家になりたい。
今はそのための勉強を続けていこうと思います。
※本記事は筆者個人の投資経験・学習記録であり、特定の金融商品、資産配分、投資手法を推奨するものではありません。株式・債券・金その他の金融商品には価格変動や元本割れなどのリスクがあります。投資判断は最新の情報を確認したうえで、ご自身の資産状況・生活状況・リスク許容度に応じて行ってください。

